未成年向け携帯サイトフィルタ
(1)
- NHKのクローズアップ現代で、児童や生徒が携帯の出会い系サイトなどで大人と知り合い、性犯罪などに巻き込まれ、ついには死亡事件までおきたという話があった。
- それで、だから未成年者にはデフォルトでSNSなどの携帯サイトにはアクセスできないようにする方向で業界が動いているらしい。・・・まあここまではなるほどと思う。
- それで当事者である児童や生徒がどう思っているのかというと、「自分たちの身を案じてくれて大人たちありがとう」ではない。まったくない。むしろ規制がかかってしまうと友達と連絡を取り合うのが難しくなったり、新しい友達ができなくなるから、こんな規制はしないでほしいと言っている。うーむ、なるほど。しかし世の大人は、かわいいわが子を守りたいからそんな意見には耳も貸さない。
- その番組の中である女生徒がこんなことを言っていた。僕はこの意見に感銘を受けた。というかこの意見を聞かなければこのネタで書くつもりはなかった。いわく「悪いことしているのは子供じゃない、大人が悪い。それなのになんで子供が規制されるの?」である(細かいところは覚えてないけど、趣旨としてはこんな感じだったと思う)。これぞ正論である。僕は心の中で拍手喝さいした。
(2)
- 悪いことをしていないものが制限をかけられるなんて根本的におかしい。犯罪を起こしている奴は大多数が成人男性である。したがって、成人男性は原則として児童・生徒向けのサイトに出入りできなくすればいい。出入りできるようにするためにはなんらかのライセンスでも取らせるようにすればいいだろう。仕組みはどうするべきかよく考えていないが、とにかく落ち度がないほうに制限を科すなんてのはどう考えても道理に合ってない。悪い大人が増えれば増えるほど子供は不便を強いられるべきなのか?そんなのおかしいじゃないか。
- もちろんこんな詭弁も可能だ。「子供側に規制をかけるのは当然だ、なぜならこんなものに引っかかる子供が悪いんだ」なるほど。でも僕は言い返したい。本当にそう思っているんだったら、つまりひっかかったほうにも落ち度があると主張するのなら、ひっかかることも犯罪にするべきだ。ひっかかったら、携帯電話の使用を3年間停止の刑にするとか、少年院に半年入れるとか。こういうことをするというのなら、僕は子供側に規制をかけることを容認する。
- 確かにひっかかることもある意味では罪だ。もし誰も引っかからなければ、出会い系サイトで児童や生徒と知り合ってよからぬことをしようとたくらむバカどもは減る。だってやってもなかなかひっかけられないんだから。つまりひっかかってしまうことは自分が被害を受けるという意味では被害者だけど、次の被害者を生む傾向を強めたという意味では加害者でもあるのだ。
- 未成年側に規制をかけるほうが簡単だとか、コストが小さくて済むみたいな意見は、全くバカらしい。簡単とかコスト重視で善悪に関する問題を解決していけば、結果は悲惨な社会になるだけである。いわば目先の利益を追求して大損するわけだ。・・・まずどうあるべきかを考えて、次にそれをいかにローコストで達成するかで考えるべきだ。最初からコストのために解決法を探すようでは話にならない。
こめんと欄