無能な面接官
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- 僕が面接を受けたわけじゃない(笑)。他人を面接してその評価を言う場面を見たのだが、ここではそれについて思ったことをメモしているだけである。
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- 採用の面接のために、履歴書などを見ながら質問する。たとえば「あなたは学生時代に、どんなサークルや部活動に参加していましたか?」など。
- そして当然ながら学生はこれに答える。「○○部に所属していました。入部当初は成績が○○くらいしかなかったのですが、一生懸命に練習して□□までになれました。関東大会で4位になったこともあります。3年のときは会計係もやりました。」
- そして面接官はこの受け答えの評価として「いや、この質問は、学生のコミュニケーション能力を確認したかったので、その辺のエピソードがなかったのは残念だ」とか言っていた。
- 僕はこの場面にすごく腹が立った。この面接官はバカじゃないのか?コミュニケーション能力が聞きたいのなら、最初にそういって質問しろよ。「コミュニケーション能力についていろいろ知りたいのですが、あなたは学生時代のサークルや部活動を例に説明してください」って言えばいいじゃないか。不適切な(=あいまいな)質問をしておいて、自分の期待しない答えが返ってきたら、それは学生の責任なのか?違うだろう?
- それともあれか、不確かな質問でも相手の意図を汲めるような学生かどうかを試しているのか?それならわからないではない(後述)。でもそれだったら「いや、この質問は、学生のコミュニケーション能力を確認したかったので、その辺のエピソードがなかったのは残念だ」という評価はおかしい。「不適切な質問に対してどう対処するかを確認していた」というべきだ。・・・僕がこの面接官の上司であれば、1分以内にこの面接官を解雇し、学生に謝罪する。
- しかし面接官だけが全面的に悪いわけじゃない。学生側にだって落ち度はある。「あなたは学生時代に、どんなサークルや部活動に参加していましたか?」と聞かれたら、僕なら「パソコン部です。」と答えるだけだ。そして次の質問を待つ。もし次の質問もこんな感じの意味不明なことであれば、僕はこういうだろう。「あのう、先ほどから質問の意図が良く分からないです。たとえばどんな部活に入っていたかが、どうして貴社の業務適性の判断の役に立つのでしょうか?私にアピールさせる機会を与えているつもりであれば、こんな質問ではなく自由に話せる時間を3分ください」
- もしくは「私から質問させてください。率直に言って貴社は今どんな人材をほしいと思っているのですか?」というかもしれない。これに対して何か説明があれば、それに自分が合っていると思えばそこから話を切り出すし、合わないと思えば「なるほどわかりました。その要望には残念ながら私は適切ではないと思います。でも私は○○も必要だと思うのですが興味はありませんか?」くらいの提案をするか、もしくはさっさと礼を言って退席するだろう。
- つまり意図の分からない質問を受けたら、分からないなりに勝手に解釈して独善的に話をするのは悪いことなのだ。分からなければ答えられないと突っぱね、まずは真意を問いただすべきだ。これは結果的には面接官の至らなさをカバーしていることになる。
- まあ面接官と学生とどちらのほうに非が多いのかといえば、それは明らかに面接官である。偉そうにしているくせに、そして自分のほうは当然学生よりも何でも知っているという気持ちでいるくせに、そしてこともあろうに自分が相手を判断しようと思っているくせに、公正な質問が出来ていないわけだ。せめて人並みの質問能力は持っていてほしかった。だから面接官が悪い。でも学生だって人並みの受け答え能力があれば、面接官の不備を補えたことは間違いないのだ。だからそういう意味では学生も自業自得である。
こめんと欄