実際の本物よりも洗練された作り物のほうが十倍はいいと思う
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- OSC名古屋の翌日、僕は観光で「徳川美術館」にいったわけだけど、そこには「歴史」に関してのとても秀逸な説明があった。まずはそれを紹介したいと思う。
- まず、歴史家が何から歴史を解明しているのかというと、主に現存している記録、日記、手紙などからである。しかしそれらはたいてい書き手の感情や解釈が混ざっていて、どこまでが歴史的事実でどこからが創作かは判断するのはとても難しい。
- そもそもこれらの文章は書き写されなければ残る確率は低い(そうでなければ紙がぼろぼろになって失われる、火事などで失われる、なくす)。で、当時はもちろん印刷なんて出来なかったから、すべて書き写しである。そうなれば、わざわざ書き写したいと思うものしか残らない。ただ事実を淡々と記録したものなんて面白くもなんともない。むしろ歴史的事実に訓話めいた解釈がついたものや、その訓話をさらに効果的にするために誇張したもの、悲劇をより悲劇的に描写し、何かといろいろと大げさにしたもの、そういうもののほうが断然に読み物としては面白い。