伊吹大臣の問題発言
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- 昨日の番組で、伊吹財務大臣が年金の世代間格差についてこんな感じのことを言った。・・・今の世代は古い世代の人から、今の豊かな暮らし(携帯電話文化など)をプレゼントされているのだ、だから負担が大きいのは多少は甘受すべきなのだ。
- これは非常にひどい発言である。しかもこれは若い世代からの発言ではなく、年金世代の人からの発言である。つまり、感謝していますではなく、感謝しろということだ。
- ちなみに僕は自分が若い世代だとは思っていない。僕は第二次ベビーブームの範囲に入っているくらいだから。僕は自分のために怒っているのではなくて、僕より下の世代があまりにかわいそうだと思うのだ。
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- まずプレゼントされたというが、若い世代はそんなことを一度でも頼んだだろうか。頼まれていないことを勝手にやって、しかもそれに一方的に値段をつけて支払えということは、まともな取引なのだろうか。僕には勝手に家に押し入り、商品を置いていき、分割払いの契約書を勝手に書き上げてハンコまで押していかれたのと同じだと思う。そしてこれだけのことをやっておきながら、感謝しろ的な発言までしているのだ。せめて勝手なことをしてすまない、くらいのことは言えないのか。
- 大幅に譲歩して、今の豊かな暮らしは若い世代の望むものであったとしよう。しかしそれの対価であるこの年金のツケは、はたして最善なのか、最善に近いものなのか。つまり、いきなり商品を置いていかれて買ったことにされたけど、その値段は本当に適正なものなのか、もっと安く出来る余地はなかったのか、僕はそういうことを言っているのだ。商品がどんなに良くても、それを高く売りつけられていたら、そりゃありがたくもなんともない、むしろ迷惑だ。
- この観点で言えば、つまり今の豊かな暮らしのためには今のような年金制度の成立が不可欠なのか。僕には到底そうは思えない。年金制度なんかなくてもきっと携帯電話くらいは開発できるはずだ。つまり年金制度のコストは豊かな文化の実現のためには全く役に立っていないムダであり、それをさも当然の対価のように言う伊吹大臣は認識がおかしいといわざるを得ない。
- もし伊吹大臣のような考え方が正当化されるなら、何か一つだけいい事をすれば、あとはどんなに他人に迷惑をかけてしまっても「いい人」だということになりかねない。それは何一ついい事をしなかった人よりはマシだというだけで、本当はいい事から悪いことを差し引いて比較しなければいけないのに。
- こんな考えの人が内閣にいるから、政府はひどい政治をしているんだなと改めて思った。
こめんと欄