株価の不思議
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- 株って本当に儲かるのかな、という話。ここでは配当のことを無視しているので、株式を20年くらいずっと保持して配当で元を取り、その後さらに20年保有して、結果的に買ったときの値段に対して100%の利益を得た、なんていうのは、確かに儲かっていると僕でも分かる。
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- 話を超簡単にするために、ここで2人しか株取引しないとする。Aさんは株をもらったので持っている。Bさんはこの株が今後値上がりすると思っており、株を欲しいと思っているが持っていない。現在株価は10万円で、売買単位は単純のために1株ということにする。二人の最初の所持金は20万円ずつにしよう。
- Aさんは急にお金が必要になったので株を売ることにした。Bさんはそれを買う。これでAさんは10万円を得た(所持金30万円)。Bさんは株を買うのに10万円使ったので10万円を失った(所持金10万円)。売買にかかる手数料はとりあえず考えないことにする。
- その後Aさんは急をしのぎ、またお金が貯まってきたので、前に売った株を買い戻そうと思う。でもなかなか売りに出ない。買いたいなーと思っていると、株価が上がってきた(ここでは2人しかいないので流動性不足で分かりにくいが、基本的に買いたいなと思う人が増えてくると株価は上がってくる)。11万円になった。でもBさんはまだ売らない。12万円になった。Bさんはまだ売らない。13万円になった。Bさんはこのくらいが限界だろうと思い、この株を売った。Aさんは無事に買うことができた。でも13万円を支払った。これで、Bさんは差し引き3万円が利益だ(所持金23万円)。Aさんは差し引き3万円の損(所持金17万円)。
- もちろんAさんは株券を持っているし、この株券はとりあえず13万円という値段が付いてはいるから、そういう意味ではAさんは17万円+13万円で、合計30万円のままだということもできる。でも現金だけに注目すれば最初は20万円だったのだから、-3万円であるというのもまた事実。
- Bさんは売った後になって、この会社の実力は13万円ではなくもっとずっと上だと気がついた。ということで相場に向かって買いたいなーと思う。でもAさんはなかなか売らない。自分が手放している間に3万円も値上がりしていたのを覚えているのだ。・・・と、16万円になった。Aさんはこれが限界かな、きっとこれから値下がりするだろう、だから値下がりしたら買い戻そうと思い、とりあえず16万円で株を売却。そしてBさんが買う。これでAさんは16万円を得るので、所持金33万円。それに対してBさんは、所持金7万円。
- この先ずっと話を進めてもいいんだけど、そろそろ分かってきたんじゃないかと思う。つまりAさんやBさんの持っているお金はいろいろ変わるけど、結局二人の現金の損得を合計するといつも40万円。そして株券という紙切れが二人の間を行き来する。でも株券も現金並みの価値を持っていると思って計算すると、最初はAさんが30万円でBさんが20万円なのに、最後はAさんが33万円でBさんが23万円。つまり二人の合計は50万円から56万円に増えている。
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- はたしてどっちが本当だろうか。つまり二人は株の売り買いで2人とも3万円ずつ儲かったのか、それとも株券という幻想を利用して、Bさんの持っていた13万円がめぐりめぐってAさんのお財布に入っただけなのか。・・・僕はどうしても二人が3万円ずつ儲かったようには思えない。なんか無駄に値上がりする株券をババ抜きのように押し付けあって、最後につかんだ人が負け、といっているような気がする。
- (書き途中)
こめんと欄