先物至上党
(0)
(1)
- さっきテレビでこんなようなことを言っていた。アメリカは消費大国で、稼ぎもしないのにどんどん借金して物を買い、場合によってはそれを担保にしてまた物を買う、みたいなことを繰り返し、それが破綻して世界経済が混乱に陥った。こんなのは破綻して当然だ。大統領選挙では「変革」を訴える候補が当選したが、アメリカはこの消費を前提とした経済が悪かったと気付いて反省して、それで「変革」を選んだのか。そうでないと困るのだが、どうもそんな風には見えない。
- 僕は思う。この評論家は何を言っているんだろう。アメリカ人が反省したかどうかは僕も知らないけど、なぜ反省しなきゃいけないと僕たちが強要するんだろう。反省しないで困るのは誰か?そう、当人のアメリカ人だ。それなのになぜ僕たちが困る?それは、そんないい加減な人たちの購買力に依存していたからだ。
- つまり反省すべきは僕たちだ。困る人が反省する。もしかしたらアメリカ人は困っていないのかもしれない。なるほど担保になった土地や建物、車などの物品は失ったかもしれない。しかしそれは結局全部借金で買ったもので、それらの差し押さえと引き換えに借金がきれいさっぱりなくなったのなら、別に何も失ってはいないわけだ。だから彼らは困ってないかも知れない。困ってなければもちろん反省する必要はない。また機会があれば同じことをするだろうし、それで困らないんだから問題ない。
- 客に散々押し売りで売りつけておいて、ある日突然買ってくれなくなったら「困る」だなんて、なんて低級な議論だろう。買いたいときに買う、買いたくないときに買わない、それだけのことじゃないか。買ってくれないと困るのなら、必ず買ってもらえるように先物で売っておけばよかったんだ。そうすれば世界の景気なんて関係ない。絶対にその値段で売れる。相手の購買力の不安定さを確信していたのなら、なおさら先物で売っておくべきだ。それをしなかったくせに、いざ売れなくなってから文句を言うなんて、子供のだだこねと同レベルだ。
(2)