漂白剤の害
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- うちの母は、残留農薬や遺伝子組み換え作物にまで気を使う「いい人」である(いいか悪いかは、たんに僕の主観による判断)。・・・しかしその母が、実は漂白剤を頻繁に使っていることが判明した(たとえばまな板の漂白など)。これはおかしいと思った。
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- 漂白剤は洗剤でない。洗剤というのは汚れを「落とす」が、漂白剤では汚れの原因物質は基本的に取り除いていない。汚れは付着したままにして、その汚れの物質を酸化もしくは還元して、別の無色の物質に変化させているだけである。その証拠に、洗剤で洗うと洗ったものがきれいになった分だけ洗濯液に色が付くが、漂白液には色が付かない。
- この酸化力・還元力はかなり強烈で、もし多量に残留していたら健康に害があると思う(原液を飲むとかしたら死ぬんじゃないかな・・・まあ洗剤でも死にそうだけど)。また微量に摂取しても、それは体内で活性酸素や活性塩素を発生するだろうから、ガンの原因になると思う。
(2)
- 母は開き直って、そんなこといっても水道水だって塩素が添加されているじゃないかと言ったが、そりゃあんた、水道水の塩素の濃度と漂白剤の塩素の濃度は圧倒的に違うのだよ。僕らは風呂に入っても皮膚に悪影響はないけど、漂白剤は皮膚が痛みそうだ。
- これじゃあどんなに苦労して残留農薬が少ない食品を選んでも、みずから再度食物汚染しているようなもので、本末転倒だと思う。もちろん食品に漂白剤を振りかけているわけじゃないが、しかし漂白すれば残留物は残るだろうから(漂白後、数日に渡って風通しの良い屋外で乾燥させるとかしているわけじゃないから)、結局少しずつ摂取しているだろう。というか「漂白剤を使った後に良く洗っているから大丈夫」なんて思えるのなら、それこそ農薬満載の野菜だって洗えば大丈夫なんじゃないだろうか。
- なんといっても、農薬は食物にかけても枯れない。まあ雑草は枯れるかもしれないけど、すくなくとも主たる植物は枯れない(使用するための濃度にすれば)。しかし漂白剤は(利用時の濃度にしても)、たぶんみんな枯れると思う。それくらいに強烈なのだ。
- 漂白剤には殺菌力があるとされているが、それは本当である。というかたとえば書毒液のオキシドールは活性酸素発生によって殺菌しているわけで、これは漂白剤のやっていることと何も違わない(というか、オキシドールの殺菌力は過酸化水素水によるものだけど、この過酸化水素水は酸素系漂白剤としても使われているくらいだ)。それで菌が死ぬならいいと思うかもしれないが、これは菌だけじゃなくてなんでも殺すのだ。残留物を取り込めば、もちろん僕たちにも害がある。
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- 僕が言いたいのは、漂白剤は有害だから使うなということではない。漂白剤そのものは有害かもしれないが正しく使えば問題はないかもしれない。しかし、残留農薬などを気にする人が漂白剤をまな板や食器に頻繁に使うというのは、一貫性がない。漂白剤の利用が気にならないのなら、有機野菜を選ぶ意味はほとんどない気がする。
こめんと欄