弱者の遺伝子の行方
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- 男性は結局遺伝子のキャリアでしかないのだから、ふさわしい女性に出来るだけ多くの子供を産ませなければいけない、産ませたやつが勝者だ、とかいう短絡的な思想が一部の人にはあるらしい。
- これが結局無意味であることを示そうと思う。
- 関連:boyaki_a/00038
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- この話は男性でも女性でもあてはまる。遺伝学的に何のとりえもない人(遺伝的弱者)が必死になって交配したとしよう。相手ももし遺伝的弱者であれば、(突然変異がない限り)結局遺伝的弱者が大量に生まれるだけである。そしてこれが何世代か繰り返されるとしても、結局弱者は淘汰される。つまりこの人ならではの遺伝子は何一つ残らない。
- では遺伝的弱者が遺伝的強者と交配したとしよう。遺伝子的には、ブ男が美女と結婚したとか、貧しい人がお金持ちと結婚した、みたいなノリであり、これは一般的に劣った側が「いいわねえ、とくしたわねえ」とうらやましがられるわけだ。しかし、遺伝子的には得してない。交配して子供が生まれても、もし相手の良い遺伝子を引き継がなければいつかは(何世代か先で)淘汰される運命にあるし、相手の遺伝子を引き継げばそれは遺伝的強者・弱者という観点では、この人の子供ではなく相手の子供である。その人は相手から見れば繁殖するための培地でしかない。誰でもよかったのだ。・・・ということで、結局この人ならではの遺伝子は何一つ残らないことに変わりはない。
(2)
- 遺伝的弱者が遺伝的強者と交配するのは、遺伝学的には進化の妨害行為でもある。つまり強者同士なら遺伝子のいいとこ取りをした子孫が生まれる可能性があり、そしてこの子孫こそ後に大量に生き残ってそれが「進化」となるわけだ。それを遺伝的弱者と遺伝的強者の交配だと、いいとこ取りが出る可能性がない。つまり進化的には進歩がない。進化なんてただでさえ時間がかかるのに、その時間をさらにかかるようにしているだけだ。
- 結局残すべきものを持っている人は確かに交配するべきだが、そうでない人はそう積極的になるべきではない(突然変異に期待することはできるけど)。せいぜいインブリードでもして劣性遺伝子のうちの有害なものを持たない子孫を残すような努力をするのがいいのではないだろうか。そうすれば培地としては最高だし、遠い将来天敵や災害などで急激に人口が減っても絶滅をまぬかれやすい。・・・倫理的には大問題な結論だけど。
こめんと欄