株を買ったら損したぞ、自分は悪くないはずなのに!
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- 以下は読みやすくするためにQ&A化しているだけで、実際に以下のようなやり取りがあったわけではありません。
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- Q:株を買ったら値下がりして損した。でもこれっておかしくないか?オレはこの企業を応援するために株を買ったんだぞ。これって社会にとってはいいことだと思うんだよ。それなのにどうして損しなきゃいけないんだ?世の中何か間違っていないか?
- A:それはこう考えたらどうかな。まず、株価は将来の配当の期待で決まってくるものだと思う。つまり株価が下がったということは、その会社の利益が減って配当が期待できなくなってきたということだろう。いっぽうで、ある会社の株を買うということは、その分だけ株価を吊り上げることになるんだけど、これはつまりその会社の資金調達を容易にするということになる。つまり、その会社は少し株を発行するだけで十分な資金を調達できるようになるわけだ。
- A:ここまでで話を終えれば、確かにQくんは何も悪いことをしてないように思えるけど、話はまだ終わらない。まずこの世にはその会社しかないわけじゃない。きっと競争している他社が存在するだろう。その会社にとっては、ライバル社の株価がむやみに上がって資金調達が有利になることは、かなり迷惑なことに違いない。つまりQくんが株を買ったということは、その会社にとっては貢献だけど、ライバル社にとっては間接的な迷惑行為なのだ。
- A:そして自分の買った株が下がったという以上は、きっと会社の業績が悪化したのだろう。業績が悪いということは、会社が(他社と比べて)いい製品を作ってないとか、経営がよくないとか、何か問題があるのだ。そういう会社は相応のペナルティを受けるべきだ(そうでないと問題ある会社はなかなか淘汰されず、いい社会にならない)。そしてQくんはペナルティを与えなければいけない会社に対して逆に資金調達を有利にしてしまったのであり、生き残るべき他社に対して間接的な迷惑行為をしてしまったのだ。これは悪いことだ。
- A:だから株を通じてQくんは損をした。Qくんは社会の利益に逆らうことをしたのだから、損をして当然である。もし株をたくさんかって社会に大迷惑を与えたのなら、損も大きくなる。おおなんて合理的なんだろう。・・・だから株は買えばいいってもんじゃない。単純にその会社を助けたい、そのために社会に悪影響があってもかまわない、罰を受けてもかまわないというならそれでもいいけど、社会の役に立って利益も得たいのなら、競争に打ち勝てるようないい企業の株だけを買わなければいけない。まあ当然なんだけど。
こめんと欄