街で見かけた子供と母親
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- 今日はどうしても延期できない急用があって、OSCの準備をサボって出かけた。そのときに、街中で2組の小さな子供(たぶん男の子)とその母親を見た。
(1)
- その子供は、工事現場をとても熱心に見ていた。微動だにしなかった。お母さんはあまり興味がなさそうだった。
- 僕はその子供にとても共感した。というか実は僕も小さいときはそういう性格だった。きみはきっとかしこい人になるよ、って思わず心の中でつぶやいてしまった。僕はあまりかしこくはならなかったけれど。
- 僕は複雑な機械が動いているのを見るのが好きだ。工事現場も好きだ。機械の分解整備や修理しているところを見るのも好きだ。テレビが壊れると修理屋さんが来るが、僕は時間があればその全作業を全部見届ける。・・・なぜ?そんなこといわれても分からない。とにかく見ているのが面白い。
- このお母さんは我が子がかしこさの片鱗を表し始めていることに気付いているのだろうか。もうめんどくさくて早く帰りたいだけなんじゃないだろうか。もしそうだとしたら、なんともったいない・・・。
(2)
- バスに乗った。幼児を抱っこしているお母さんがいた。理由は全く分からないんだけど、その幼児がむずがりはじめた。そしてついに大声で泣き出した。
- 僕はその幼児に思いをはせてしまう。まだ話ができない以上、とにかく何か不快なことがあれば泣くしかない。我慢するべきかどうかなんて、判断できるわけない。だから原因が解消されるまで泣いていいのだ。もし泣かずに手遅れになったらどうする?
- お母さんは、泣いている我が子を一度も叱らなかった。小声で話しかけてあやし、おんぶしてみたり、上着を脱がせてみたり、ぬいぐるみを見せてみたり、飲み物を与えてみたりと、とにかくいろいろやっていた(一度は周囲の迷惑を気にして降りることすら検討したようにも見えた)。・・・僕はこのお母さんはかしこいなと思った。そりゃあ泣かれるのはうるさくて気分のいいものじゃないけれど、しかしそれはどうしようもないので、このお母さんはベストを尽くしている。そして最後に、幼児は満足したのか、すやすやと眠ってしまった。
- しかしこの話はこれでは終わらない。通路を挟んで反対側の席に、老婆が座っていた。この老婆は幼児が大声で泣き出したあたりから、このお母さんに非難めいたまなざしをずっと送っていた。さっさと叱りつけてしまえ、甘やかすんじゃない、と言いたげだ。・・・結局何も発言しないまま幼児は落ち着いたので、この老婆が本当は何を思っていたかは分からない。単に心配で見つめていただけで、人相が悪くて非難めいて見えただけという可能性はある。でもまあ、ここでは実際の老婆の真意は無視して、仮にそんなふうにこのお母さんを批判的に思っている仮想的な老婆がいたとしよう。
- 僕はこの仮想的な老婆に言ってやりたい。間違っているのはむしろあんただ。そもそもあんたの未来はこの子にかかっているんだろう?甘えているのはどっちだ。あまりに自分勝手で情けないと思わないのか。
(3)
- とまあ僕はいつもこんなことを考えてしまうので、全然退屈しない(笑)。
こめんと欄