OSASK-WikiのKの落書きの過去ログ
- 本家:OSA:K
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64bit
- (2005.01.23)
- OSASKはAthlon64に対応しないんですか?って聞かれるので、それへのコメントです。
- 結論から言うと、今のところ対応させようという予定はありません。でもやらないと決めているわけでもありません。やるかもしれないけど、優先順位は非常に低い、という感じです。
- 理由は簡単で、Athlon64は32bitのOSASKでも問題なく動くからです。Athlon64の能力からすると32bitモードはハードウェア能力を十分に発揮した状態であるとはいえないと思いますが、しかしだからといってOSASKを他の32bit-CPUで動かした場合と比べて、なにか制限が生じるというわけではありません。
- たとえば、実はAthlon64は64bitモードで動くほうが省エネだ、みたいなことがあればもうちょっと前向きになれるのですが・・・。Athlon64は64bitでも32bitでも同じくらいに優秀ですからねえ。
- ここでちょっと昔話をさせてください。僕は世間が16bitだ、32bitだと騒いでいる最中に8bitでがんばってきました。その頃の僕はプログラミングスキルがしょぼかったので、雑誌に載っているプログラムを打ち込んで、ゲームとかをしていました。
- しかし悲しいことに、そういう雑誌では8bit機はどんどんマイナーになっていきました。面白そうなゲームがあって、そのゲームはきれいなグラフィックがウリだったりすると、自分の機種では8色しか出ないので、対応機種から外されても、まあしょうがないかと諦められます。またコンピュータ対戦の将棋ゲームがあっても、思考ルーチンの関係で64KBのRAMじゃどうしようもない、なんていう理由で、自分の機種が対応機種から外されるのも、しょうがないことでした。
- しかしだんだん許せないパターンが出現してきました。グラフィックの質を下げてもプレイする価値が十分ありそうなゲームなのに、自分の機種が対応機種から外れていたり、ソフトウェアの内容からすると、多少遅くはなるかもしれませんが、しかしこの8bit機でもできないことはなさそうなのに、それなのに対応機種から外されたりするわけです。
- もちろん僕は、うちのパソコンはBEEP音しか出ないから、掲載プログラムはBEEP音しか使っちゃいけないとか、ゲーム性重視のゲームは8色までしか使っちゃいけないとか、そういうことを言いたいのではありません。FM音源やPCM音源をがんがん使っていただいて結構ですが、しかしBEEPしか使えない場合用のパッチも提供してほしかったのです、他の人たちがそうしていたように。グラフィックについても、フルカラーが使える機種では使っていただいて構いませんから、8色しか使えない場合用のパッチも提供してほしかったのです。将棋ゲームも、上位機種ではレベル10まで選択できて、下位機種ではレベル2までしか選択できない、みたいなことでもいいのですので、とにかく対応機種から安易に切り捨ててほしくなったのです。
- まあパッチが無くても僕は自分でパッチを作って遊んだりしましたが。
- 僕がようやく苦労して中古のTOWNSを購入した頃になると、今度は「必要メモリ」による切り捨てが待っていました。「このソフトウェアはメモリが6MB以上ないと使えません」。「このソフトウェアはHDDにインストールしないと使えません」。「386でも動きますが、486以上が推奨されます」・・・。その中には、これだけの処理のためには、それもやむを得まい、というのもたくさんありましたが、そうではないものもたくさんありました。これはもっと少ないメモリでも問題なく動かせるだろう?、データを圧縮してやればHDDじゃなくてFDだって動くだろう?、この処理内容でこの遅さはなんだよ、いったいどんなバカアルゴリズムを使っているんだ、それさえ直せば386でも快適だろ、っていうか486だってもっと快適だろう?
- 僕は思うんです、こういう下位機種の切り捨ては、プログラマの怠惰であると。僕が苦労して1万円で中古のFM-7を買ったら、その能力でできることは全部やらせてあげたいじゃないですか。4万円で中古のFM-TOWNSをなんとか買ったら、やっぱりこいつでできることは全部やらせてあげたいじゃないですか。合理的な理由の無いまま、上機種を買わないと駄目ですとか、周辺機器を追加しないと駄目です、なんていうのは、一体どういう神経なんだろうと思うのです。自分がとにかく貧乏で、上位機種を買うのが非常に大変(というか事実上不可能)だったので、特にそう思いました。
- これは逆も言えることに注意してください。つまり、合理的な理由があれば、僕は下位機種を切り捨てることに賛成します。一般公開しないので他のPCで使う可能性が無いとか、処理内容からすると特定の高級機能専用にすることを避けられないとか。
- 僕にとってOSASKは、そういう切り捨て屋に対する反論でもあります。HDDがないとこのソフトウェアは動きませんとか言っていたプログラマは、能力の限界がハードウェアにあったのではなく、自分のプログラミングスキルにあったことを認めるべきです。それをさもハードウェアのせいであるかのように主張し、下位機種のユーザがうちでも使いたいと言えば、上位機種を買えとまで言うわけです。全くふざけていると思います。素直に、これはソフトウェアの問題なので、将来のバージョンで改善します、といえばいいのに(それができないなら、すくなくとも対応できなくてすみません、くらいは言うべきだ、ハードのせいにするくらいなら)。・・・OSASKアプリならtekのおかげで、たいていのプログラムはFDだけで十分に使えるわけです。16色や256色しか出なくても、フルカラー画像をそれなりに減色することはできるのです。要求メモリだって全然少ないのです。問題はハードウェアではなくソフトウェアだったという証拠なのです。しかもそのために超絶的なプログラムが必要だったわけではないのです。100KBにも満たないOSで可能だし、アプリだってみんな数KB、数十KB程度なのです。
- さて64bitの話題に戻ります。僕の想定している処理内容だと、どうも64bitでなく32bitモードでも問題なく実行できてしまう気がするんです。しかも64bit化したからといってそう劇的に速くなるわけでもなさそうです。たとえば仮に2割速くなるとして、そのためにアプリを64bitモード専用で書くと、それは多くの32bit-CPUユーザを切り捨てることになるわけで、それは僕としてはどうかなあと思ってしまうわけです。その2割すらも貴重になるような、つまりそれほど重たい処理を例示していただければ、僕の考えは変わるかもしれません。しかし今のところは、それは科学技術計算などに限られていて、できるだけ早期に対応するべきというほどではないと思うのです。
- この話を逆にすると、そもそも32bitにこだわる理由はどこにあるんだ、ということにもなります。16bit、いや8bitでもいいじゃないか、と。・・・しかし16bit機ですと、64KB以上のワークエリアへのアクセスがやりにくくてしょうがないです。CUI時代ならこれも悪くはなかったのですが、僕はGUIが好きです。僕にとっては32bitが必要最小限に思えるのです。そして十分でもあります。1アプリにつきアドレス空間が4GBもあれば十分です。実メモリが16MBくらいしかなくてもいいです。だから僕としては386SXまでが当面の対応機種です。
- もちろん、Athlon64を買ってしまった人の心理としては、どうせならこいつの能力をフルに発揮してほしいものだ、と考えるのは妥当だと思います。しかしいくらなんでも、500m先のおうちに遊びに行くのに、わざわざ自家用飛行機で移動するのはどうかと思うわけです。今までどおり自転車でいいではないかと。関東から関西に遊びに行くような、そんなときこそ自家用飛行機だと思うんです。で、だから、僕に「大阪にはこんなにおもしろいことがいっぱいあるよ」とか言ってほしいわけです。僕が、なるほど、これは64bitモードも頻繁に使いたいな、両モードサポートするべきだな、と思えるような用途を提案していただければ、いいのです。
- なんというか、本来は逆ではないか、という気もするんですよね。つまり32bitではできないけど、どうしてもやらせたい処理があって、それを実現するために64bit-CPUを購入する、と。つまり大阪に行きたくなったから自家用飛行機を購入したのであって、自家用飛行機を買ったので行き先を探そう、といわれても・・・。
- Athlon64は32bit性能だけ見ても大変素晴らしいものがありまして、だから64bit機能とは無関係に購入する場合もあるかと思いますが、その場合はとりあえずそのまま32bit-CPUとして使いつづけていいんじゃないかなあと、僕は思います。つまりよい自転車がほしくて、よい自転車を買ったら飛行機が(おまけで?)付いてきたけど、だからといって500mの移動で飛行機を使うこともあるまい、ということです。ふさわしい用途が見つからなければ、永遠に死蔵していてもいいんじゃないかなあ。だってそのために買ったわけじゃないんだし。
- CPUの機能が増えたからそれにあわせてソフトを作ろうっていうのも面白いですが、それよりまずは、パソコンで何をやりたいかが先で、そのやりたいことをうまくやるためにCPUの新しい機能が活用できるなら是非使えばいいし、新しい機能によらずとも十分に目的が達成できるのなら、それでいいじゃないかと。僕たちはパソコンを使っているのであって、パソコンに使われているわけじゃないのですから、パソコンの都合にそこまで左右されなくてもいいじゃないかと思うのです。
- 悪乗りすると、僕は64bit-CPUに効果があると信じ込まされた人は、ちょっとした被害者だと思います。64bit化でもたらされる利益はもちろん大きなものですが、でもそれよりももっと大きな改善をする方法があると思うのです。もし現状の処理速度に不満があるなら、まずは32bitモードを限界まで使いこなしたらどうでしょうか。おそいCPUや少ないメモリでOSASKと他のOSを使い比べてみると分かりますが、同じハードウェアであってもソフトウェアを改良するだけで、何倍も快適さが違うわけです。32bitモードすら満足に使いこなせないプログラマに、64bitモードを使わせるべきなんでしょうか?32bitすら十分に生かせないソフトウェア開発社が、ソフトウェアの新バージョンを購入させるために、64bit対応版を買えとか、そんなことを言っているんじゃないかと、なんかそう思えて仕方ないときがあります(特に64bit化によって数パーセントしか性能が改善していないときとか)。ユーザに新規にハードウェアを買わせなくても達成できる数倍の改善と、新規にハードウェアを買わせて、さらに旧型機ユーザを切り捨ててようやく得られる数パーセント。どちらが本当のソフトウェアの技術の進化だと思いますか?そうやって32bitで限界までがんばってみたけど、それでもさらに性能を改善する必要がある、という段階になって初めて、64bitモード利用という選択肢が出てくるべきじゃないかと。
- 号泣 -- nkenkou 2006-05-21 (日) 15:07:05