余裕があるうちは節約しないのが当然な人たち
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- 物価高になって節約テクニックみたいなのがテレビ番組で紹介される。それでテレビの中の人はたいていそのテクニックをほめて、明日から使いたいって言う。それは結構なんだけど、僕としては「ああ、こんなことなら最初から(以前から)こうしていればよかった」という人がかなり少ないのが気になる。
- これは結局余裕のあるうちは節約なんかしなくてもいいし、むしろするべきではないと思うかどうかの問題だと思う。・・・僕は当然、今余裕があるかどうかは関係なく常に節約をしたい人である。
- たまにものすごいお金持ちが数百円の使い道に悩んだりしていて、それを「おかしい」と物笑いにしている番組もあるらしいが、こういうお金持ちも僕と同じ考えなのかもしれない。
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- まず最初に言っておくと、もし将来にわたって永遠にその資源(ここでいう資源は石油とか鉱脈とかそういうものばかりではなく、時間とかお金とか、とにかく消費できるすべてのものが当てはまる)がなくならないか、もしくは無くて困ること、もっとあればなあいと思うことが一度もおきないのであれば、僕のような考え方はただの心配損である。
- たとえば自分が魔法使いで、いつでも簡単な方法でインフレを招くことなく好きなだけお金を増やせるとしよう。それなら、お金がなくなることなんて心配する必要がない。どんどん使えばいい。
- でもその魔法は本当にこれからも永遠に使えるのだろうか。もしかしたら明日には「もう使いすぎ」とか言われて使えなくなるのではないだろうか。そういう可能性があるのなら、お金がなくなることは心配するべきだ。また、自分はいいとしても、子や孫はどうか。自分が浪費することで子や孫に魔法を引き継げなくなる危険はないのか(もちろん、子や孫なんてどうでもいい、苦労して死んでもかまわない、という考えなら自分のことだけ考えていていいんだけど)。
- もう少し身近な例にしよう。たとえば給料日にはたくさんお金がもらえる。でもそのときに調子に乗ってたくさん使ってしまうと、次の月の給料日前にはお金がほとんどなくて非常に苦しくなる。こんな人の中には、もしかしたら次の給料日になる前に餓死する人がいるかもしれない(まあ普通はいないんだけど)。もしそういう人がいたらどうだろう。もちろん基本的には各自の生き方はそれぞれの勝手だからそれでもいいんだけど、でもこれは上手な生き方だと思うだろうか。自分もそうしたいと思うだろうか。
- 餓死しないにしても、給料日にはちょっと豪華に暮らすという人は少なくないと思う。それはそれでかまわないと思う。僕だって時にはそういうことをする。でも、それがいい事なのかというと、僕はいい事だとは思っていない(悪いとも思ってないけど)。こういうことと餓死してしまった人の違いは何かというと、結局将来のことを考えて限度をわきまえて使っているかどうかだと思う。
- でも将来のことを考えるって、どこまで?それは来週会社がいきなり不祥事を起こして来月には倒産するかもしれない可能性まで考えているのか。もしくは、自分が仕事を続けられないほどの大病になってしまう可能性まで考えているのか。大インフレが急に起きて、あらゆるものが高騰する可能性はどうか。
- そういうことは起こるかもしれないけど、きっと確率は小さいし、そんなことまで気にしていたらやっていけない、というかもしれない。そう思うなら、本当にそれでいいと思うならそれも結構だろう。そしてそういう考えの人たちの中には今ガソリン高騰や食料品値上がりで生活が苦しくなっている人もいる。僕は何もこの人たちが間違っているといいたいわけじゃない。これはこれでアリなんだ、前もってわかってやっていれば。でもこういうことを事前に覚悟していないで節約しないでいたのなら、それは賢明だとはいえないと思う。
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- 将来のことなんて誰も分からない。でも心配ばかりしているわけにもいかない。心配しようと思えばどんなことだって無限に心配できる。だから僕はそんなには心配しない(とはいっても世の平均的な人よりははるかに心配しているだろうけど)。その代わり、常に節約する。自分にどれほどお金が入っても、使い方を変えたりはしない。お金があるときもないときも自分で基準を決めてそれを守る。そもそも贅沢をしなければいいだけなんだ。僕にとっては全然苦痛じゃないし、難しくもない。
- お金だけじゃない、電気だって(プログラムのときの)メモリや処理内容だって、同じことだ。8ビットの頃や、メモリが数メガバイトしかなかった頃のことを僕は今でも覚えているし、その頃の基準を忘れていない。今はこんなことで苦労するなんてバカらしいというかもしれないし、将来はもっと楽になるかもしれないけど、僕はそれでも自分のやり方を変える気はない。全くない。・・・僕は将来のことを考えて不安に思うことをやめた代わりに、将来のことを考えて楽観することもやめているのだ。とにかく自分に無理なく出来る節約は常にする。その節約が必要か不要かなんてどうでもいい。
- 水不足になっていなくても水は出来るだけ少なく使う。電気代で家計が苦しくなっていなくても節電。肥満になっていなくても、節度なく食べることは控える。調理された食べ物は残さない(それで食べ過ぎたら他の食事を減らす)。余計な音も出したくない。ブラウザやサーバの処理能力が高くなってもページを重くする必要がなければ重くしない。・・・万事がそんな感じだ。
- だから僕は節約テクニックのうち自分にとっても有用なものは、世間が不景気じゃなくても常に歓迎だ。そしてそれがいい内容であればあるほど「なんてうまい方法なんだ、こんなことなら最初から(以前から)こうしていればよかった」と思う。
こめんと欄