公務員の給料は高いか

  • (by K, 2007.09.11)

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  • OECDのデータで General government total outlays というのがあって、これはきっと政府の歳出合計額のことだと思うのだが、ここの日本の2006年の値は、GDPの36.3%ということになっていた。ここから思ったことをいくつか。

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  • まず最初に、この数値は他のOECD各国に比べて低い。OECD平均は40.4%だし、ユーロ圏平均は47.1%だ。日本よりも値が小さいのは、韓国(29.9%)、アイルランド(34.0%)、オーストラリア(34.1%)、スイス(35.0%)くらいなものだ。他の国は日本よりも高い。
  • 政府の歳出がGDPに対して小さいということは、それだけ「コンパクトな政府」だといえるのかもしれない。もしくはこれでたくさん仕事をしているとしたら(OECD平均並みにやっているとしたら)、少ない額で行政サービスを提供できているのだから、えらいということもいえる。・・・OECD各国の行政サービスの質が分からないので、どちらなのか分からないけど。

  • いっぽう、歳出がGDPの36.3%もあるということは、歳入はそれと同じだけあるはずだ。そうでないとお金が足りない。そして日本政府の場合借金を毎年しているので、歳入のうちのいくらかは国債発行によるものだ。平成18年度の補正後の予算を見てみたところ、歳入の60%が税収で残りのほとんど(33%)が国債によるものだった(そのほかに前年度余剰金や税金以外の収入というのもちょっとだけある)。
  • これらの数字を組み合わせてこんなことを考えた。GDPの36.3%の60%は、つまりGDPの約22%は、税金として政府が徴収しているということになる。国民全体がせっせと稼いだお金の実に22%が税金として没収されているわけだ。
  • 歳出を見ると、国債の返済額は予算全体の22%をしめている(上の22%と同じになったのは偶然の一致)。予算全体がGDPの36.3%だから、国債の返済額はGDPの8%くらいになる。だから差し引きしてGDPの28%が政府によって「消費されている」わけだ。
  • このうちのどのくらいが公務員の給料になっているのかは分からない。もちろん施設を建てたり自衛隊の兵器を買ったりもするだろうから、公務員の給料のしめる割合は100%ではない(IPAを通じて未踏ユース採択者に支払われることだってある)。人に聞いてみたら80%くらいじゃないかという人や50%くらいじゃないかという人など、いろいろだった。ここではとりあえず50%ということにしてみる。そうすると、GDPの14%が公務員の給料ということになる。
  • ここで国民一人の平均的な収入を考えてみる。GDPを単純に総人口で割ったらどうだろうか。GDPには国内の法人の利益も含まれているので、これじゃああわないと思うかもしれない。でもその法人だって結局は誰かのものだし(たとえば株主)、その利益は配当もしくは株価という形で個人に還元されることになるだろう。株主ということ考えると外国人投資家の存在があって、そうなると法人の利益が国民に還元されているというのは少し難があるかもしれないけど、まあ日本人が外国の会社の株を持つこともあるだろうし、面倒なのでその辺は打ち消しあうということにしよう。
  • ということで、国民の平均の年収は GDP/1億 くらいで、公務員の平均的な年収は GDPの14%/公務員の総人口 ってことになる。もし公務員が10人に1人だということにしても(実際はそれより少ないと思う)、公務員の平均年収は国民の平均を上回ることになる。
    • 国民平均:GDP/1億
    • 公務員平均:GDPの14%/1千万 = 1.4 x GDP/1億
  • 公務員が30人に1人の割合なら(あなたの小学校での同級生のうちの一人が公務員になるくらいの割合)、公務員平均は国民平均の4.2倍にもなる!これは驚きだ。

(2)

  • 以上の計算はいい加減である。特に税金のうちのどのくらいの割合が公務員の給料になっているかという点が心配である。50%ではなく30%だとすれば、もう少し少なくなる。
  • それに仮に公務員平均が国民平均の2倍や3倍だとしても、公務員が国民平均よりも難しい仕事、価値の高い仕事をしているのだとしたら、問題は無いとも言える。・・・問題は本当にそれだけの仕事をしているのか、ということになりそうだ。
  • 公務員が仕事をやめて民間に移った場合に給料が変わると思われるが、同じような仕事内容なのに、もしこのときに増額されることのほうが多いのなら、公務員は明らかにもらいすぎである。NTTやJR、JT、郵政公社は民営化したけど、民営化によって給料は増えたのだろうか、減ったのだろうか。仕事の量は増えたのだろうか、減ったのだろうか。もし民営化の際に給料が減ったり、もしくは給料据え置きでも仕事の量が何割も増えたりしたのなら、あきらかに公務員時代の給料は高かったといえると思う。民営化によって会社が社員をこき使うようになっただけの可能性もあるけど、その場合はライバル企業がほうってはおかないと思う。優秀な人材なのに不遇の給料の人がいえれば、チャンスとばかりに人材引き抜きに来るだろう。もしそれが無かったのなら、その給料は適正か、もしくはまだ高すぎなんだと思う。

こめんと欄


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Last-modified: 2007-09-14 (金) 18:59:10 (5399d)