過度の「かわいそう」はよくない?

  • (by K, 2007.11.27)

(1)

  • 動物の生態を紹介した番組を見ていて思う。オス同士はメスをめぐってかなり激しく戦う。激しいけんかをしない動物もいるけど(平和的?)、それはここではとりあえず除外して考える。とにかく激しく戦う動物が確かにいる。しかもこれは限られた種にしか見られない珍しいことではない。
  • そんな同種への暴力が認められる動物の世界であっても、オスがメスに暴力を振るうことはない。あれだけ強いオスなら力ずくでも自分の子を生ませようと思えばできそうなものなのに、そういう行動をする動物を僕は見たことがない。・・・それともそういう動物もいるけど少なすぎて知られていないのだろうか。それともそういう光景もあるけど、教育的配慮からテレビなどでは紹介されないのだろうか。・・・うーん、わからない。わからないので、とりあえず、勝手に想像で補完せずに、動物界には強姦みたいなことをするものはいないか、いても極めてまれであると仮定したい。
  • しかし人間の世界では強姦は残念ながら珍しくはない犯罪であると思う。これはなぜなのか。

(2)

  • 動物の世界ではメスが配偶者を選ぶ傾向が非常に強く、オスは選んでもらえるようにアピールするのが常なのに、人間の世界では必ずしもそうではない。むしろ古風な考え方では、男性から結婚を申し込むみたいな考え方のほうが、東洋でも西洋でも多い気がする。それと関係がありそうなのが、女性はやたらと着飾ったり化粧をしたり外見を綺麗に保とうと努力することである(もちろん男性でも身なりを気にする人は少なくないが、全体的な傾向として女性のほうが熱心である)。これは動物の世界では「選んでもらう側」のオスが必死にやることであって、メスはやらない。
  • あれ?でも、古風な考え方では、一人の女性に複数の男性が結婚を申し込んで、さらには贈り物とかもして、それで女性に選んでもらうというのもありそうだな。竹取物語なんてまさにそんな感じだ。そう考えると、やっぱり女性が選ぶというのが人間でも基本なのだろうか。
  • わからなくなってきたのでこれについてはとりあえず保留する。

(3)

  • さて人間だけが強姦をするのはなぜなのかを考えてみた。仮説を考え付いた。
  • 一つ目は、こうである。動物のオスには強い生殖本能が備わっている。これは自らの生存本能なみに強いことすらある(だから命がけでライバルのオスと戦うことがある)。しかしその生殖本能よりもさらに強いのが、メスを攻撃しない本能である。だから何があってもメスに対して暴力を振るってまで子孫を残そうとはしない。
  • この本能は、どうしてここまで強化できたのだろうか。考えてみてほしい。突然変異などによって生殖本能が弱いオスが生まれることはあるかもしれない。しかしそんなオスは子孫を残すための努力が足りないだろうから、そういう遺伝子は早期に消滅し、残らない。また生存本能が弱ければ、生きるために全力を尽くさないので、やはり他の個体よりは遺伝子を残しにくい。だからこれらの本能が強化され維持されるのは当然なのだ。しかし強姦しないという性質が強化されるストーリーはこれほど明確ではない。もし強姦することに何のためらいもないオスが突然変異によって現れたら、優秀なメスを相手にして、強くて健康でそして強姦をいとわないオスが各世代に残りそうなものである。
  • でも実際の動物界はそうなってはいない。何か強姦社会が生存競争上不利になる要素を不可避的に持っているのだろうか。強姦するためにメスを傷つけてしまったら、無事に出産できる可能性が減るということだろうか。うーん、そうかもしれない。特に動物の世界では、メスが逃げ出してしまえば生殖はできない気がする。人間の犯罪者のように凶器で脅すこともできない。拘束することもできない。それでも強姦できるほどに(=抵抗したり逃げれなくなるほど)傷つけたら、出産にさしさわりがありそうだ。これは筋が通っている。
  • 別の可能性としては、メスは強姦されたら子を産まないのかもしれない。もしくは生んでも育てないのかもしれない。このルールをすべてのメスが守らなくても、大半のメスにそういう傾向があれば、強姦するような遺伝子は後世には残らない。
  • それとも、人類は大脳が大幅に発達する過程で、本能が弱くなってしまったのだろうか。そして結果的に本能のバランスが乱れて、強姦したり自殺したりするようになってしまったのだろうか。

(4)

  • 僕は(3)で書いた「別の可能性」の部分をつくづく感じる。もし大昔の人間の女性が強姦を絶対に許さない、そんなことで生まれた子供はとてもかわいそうだけど育てない、と心を鬼にしてくれれば、こんな人間の愚かさの象徴のような犯罪は蔓延しなかったに違いないのだ。なるほどその生まれてきた赤ちゃんは本当にかわいそうだ。でも、そのたった一人の犠牲が、その後の何万人、もしくは何億人もの被害をなくすことにつながったかもしれないのだ。その女性が「ああ、この子に罪はない、あの憎たらしい人の子供でもあるけど、私の子供でもあるんだ」とかなんとかいって、育ててしまったのだ。
  • 確かにその子供は強姦をしなかったかもしれない。女の子だったかもしれない。それはこの遺伝が劣勢で強姦因子が発現しなかっただけかもしれないし、精神力が強くて自制したからかもしれない。しかし何世代かを経て、また強姦者が現れてしまう(永遠に現れなければ、今でも強姦などという犯罪は存在しないことになる)。今どれほどこのバカらしい遺伝子が蔓延しているのか分からない。もしかしたら僕にもあるのかもしれない(そう考えるだけでむかつくけど)。
  • 世の女性は強姦を心から憎んでいると思う。僕も同じだ。性別に関係なくそもそも痴漢行為のすべてが腹立たしいし情けない。人の嫌がることをして何が楽しいのか。SPAMメールを送る人もwikiを意味なく荒らす人も同じように憎い(何か主張があって、そのために書き込む人はそこまで憎らしくはない)。人間が協力し合って解決しなければいけない問題は他にいくらでもあるのに、同じ人間同士で足を引っ張り合ってどうする。
  • それで、その強姦が広まってしまった原因は、その最初に強姦された女性がその子を育ててしまったからなのだ。これは重要なことだ。僕はこの女性を恨む。なるほど、まさかこんなことになるなんて知らなかったかもしれない。しかし遺伝の法則なんて知らなくても、人類は以前から親は子に似た能力を持つ傾向があることは分かっていたはずだ。そうでなければ、なぜ王様の子供が王様として認められるだろうか。偉大な親を持つ子が偉大なことをすれば、さすが○○の子だ、というではないか。だからこの事態はぼんやりとは想定できたはずである。だから僕は恨む。どう責任を取るのかといいたい。
  • もちろんもとをただせば悪いのは突然変異で生まれてきた強姦犯である。こいつは即座に無期禁固とか断種とか、何かそういう厳罰を科すべきだ。でもこの男性は遺伝子が狂っているのである意味どうしようもない。途方もなく腕力が強かったら周囲の誰も彼を止められなかったのかもしれない。でも、女性は違うじゃないか。きっと赤ちゃんを殺すことはできたはずなんだ。それなのに・・・。

(5)

  • さて恨みつらみを書いていてもしょうがない。今の僕たちには何ができるだろう。まずは、強姦することが本当に遺伝的な傾向を持っているのか、それを確認することだ。僕の予想に反して遺伝病でないのなら、以下の措置は意味がない。遺伝病じゃないのなら、従来どうり教育の充実などによって克服できるだろう。
  • 強姦にあったら抵抗しなければいけない。抵抗するというのは、脅されても従わないという意味ではない。そんなバカの子供を極力産まないようにするのだ。といっても、どうしてもかわいそうだと思うのなら(その気持ちも分かる)、育ててもいいかもしれない。しかしその場合、その子がどんなにいい子でも女の子でも、自分は子孫を残してはいけないことを守らせなければいけない。もしかしたら強姦を補って余りあるすごい才能があるかもしれない(ここでいう才能とは遺伝的な才能のことである)。そうであれば実に悩ましいが、例外的に子孫を残すことを認めざるをえないだろう。
  • そして強姦に及んだバカな男性は、非常に重い罪を科すべきだし、今後一人たりとも子を設けることは許されないだろう。もしすでに子や孫があれば、彼らは同じ遺伝子を引き継いでいる恐れがあるので、強姦によって生まれてきてしまった子供と同様の扱いに準ずるべきだ。
  • 強姦しうる遺伝子を持っていても、強い意志さえ持っていれば強姦には及ばないことが立証されるかもしれない。つまり教育さえまともならこんなかわいそうなことをしなくてもいいのかもしれない。そういうことは大いにありうる。でも仮にそうだとしても、強姦遺伝子がこれからも蔓延していくのが果たしていいことだろうか。ゆっくりでもいいから、とにかく減少していってほしいと思う。そうすればいつかは意志の力が緩んでしまったとしても強姦はおきないですむのだ。
  • 自分に強姦遺伝子があると分かったときに、じゃあ自分は(遺伝的につながった)子どもがいなくてもいいや、仕方ない、とあなたは思えるだろうか。僕は思える。将来の人類に迷惑をかけてまで自分の子孫を残そうとは思わない。もし思えないのだったら、あなたは最初に強姦されわが子を育ててしまったあの女性を恨む資格は無いだろう。

(6)

  • ここでは強姦しうる遺伝だけを書いてきたけど、遺伝の問題はこれだけじゃないと思う。
  • だから世の女性が、いや男性も、もうちょっと遺伝について考えて結婚相手を選んでほしいものだと思う。好きだから結婚するっていうのもまあ基本的には結構なことだけど(逆よりはましだ)、遺伝しそうな体質で好ましくないものがあったら、ちょっとは考え直したほうがいいんじゃないだろうか。そんな感情というか本能の赴くままに結婚するなんて、大脳の発達していないほかの動物と大差ない。それじゃあ他の動物を同じ速さでしか人類は進化しないだろう。「遺伝的には悪いことばかりだけど、かわいそうだから結婚してあげる」なんて最悪である。・・・結婚しても子供はもたない、というつもりならこんなことは全く関係ないので、好きか嫌いかだけで選んでかまわないけど。・・・あと「売れ残り」同士で結婚するというのはアリかもしれない。もちろん問題のある遺伝形質がない場合に限る。たぶんあまりぱっとしない子が生まれるけど、もしかたら突然変異によって人類の進化に寄与するようなすばらしい子を授かるかもしれないし、そうでなくても、教育などによって依存しない形質のほうを高めて他を追い抜き、文明の発展に寄与するかもしれないから。
  • 脱線するけど、たとえば背の高い人がかっこいい、美人だっていうのは、素手で戦うときにけんかが強そうとか、なんとなく美的にそう思うとかであって、今やあまり合理的じゃないと思う。むしろ背が低いほうがいいんじゃないかな。そしたら小さい家で難なく住める。今は家を小さくするメリットはあまり感じないかもしれないけど、宇宙時代になってロケット内で生活するときには、他の能力で差がないのなら、体重は軽いほうがいいし、背は高いよりは低いほうがよさそうに思う。

(7) 追記

  • 2007.12.17
    • (2)に関して:オスがアピールしてメスが選ぶ理由を福岡の動植物園で教えてもらってなるほどと思ったのでメモしておく。ここの話は主に鳥類。
    • まずメスは目立ってはいけない。なぜなら卵を産んで育てるという仕事があるから。むしろ環境に溶け込むような目立たない地味な色でいるほうが得だ。そうすると、カラフルさで競うのはオスの側でしかできない。逆に言えば、オスもメスと同じくらいに卵の世話をする動物の場合はオスとメスとでそんなに見かけに差がない。
    • またもしメスと同じくらいにオスが地味だと、メスは自分と同じ種かどうか判断できなくなる恐れがあるらしい(鳥類は近い種だと交配可能らしい)。もし間違って混血してしまうと、巣の作り方やえさの取り方などで環境に適応できないヒナが生まれてしまい、これはまずい。ということでメスが区別できるようにオスは種の差がはっきり分かるような目立つデザインをしている。
    • 他にも教えてもらったけど、このページには関係ないので省略。

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Last-modified: 2007-11-27 (火) 17:23:55 (5328d)