排出量取引万能論

  • (by K, 2008.07.10)

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  • フードマイルとか、省エネとか、そういうのは全部考えなくてよくなる。考えなくても考えた以上の結果になる。
  • 関連:boyaki_a/00030, boyaki_a/00033

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  • 最近フードマイルなる値があるらしい。これは食料品に関して、産地から小売店までの距離をマイル表示したものらしい。要するに、遠いところから運んだものはそれだけ二酸化炭素を出しているはずで、だから近くのものを食べたほうがいいといいたいらしい。
  • その考え方には賛成だけど、でも僕は疑問を感じる。仮に1000Km離れているとして、果たしてそれはどのように運ばれてきたんだろう。近くても空輸したかもしれない。遠くても船などでゆっくり運んできたかもしれない。気流や海流の向きによっては、距離で予想されるほどには燃料を使っていないかもしれない。
  • 僕はそんなことまで気を使うのはどうかと思う。そもそも産地が少々遠くても、出来るだけ安くおいしく栄養豊富に作れるように努力しているのなら、その人の食品を食べたいじゃないか。地元で適当に作って「フードマイル的に近くにライバルがいないから、こんなに高くても売れるぜ、へへへ」よりも。
  • そもそもいわせてもらえば、別に二酸化炭素を大量に出したっていいのだ、それ以上に植林するのなら。だから僕はフードマイルではなくて、排出量を書いてほしいと思う。しかもこれは何も食べ物に限らない。電力だって灯油だってガスなどのエネルギーはもちろん、紙や鉛筆やPCなどにも書いてほしい(これらを作るときにエネルギーを使ったはずだから)。そうしてもらえれば、僕はそれ以上の排出量を買う。それでいいじゃないか。
  • 植林ボランティアしたくなったら、自分で木を植えるのもいいけど、排出量を買い取るという方法でもいいんだ。そうすると僕が買い取った分だけ(ほんのわずかだけど)排出権の値段が上がって、それを見た植林のうまい人が、「この値段なら黒字で植林できる」と植林して、植林分を市場に売ることが出来る。そういう人はうまいから、僕が10万円出して植林するのと同じ量の植林を8万円とか5万円とかでやってくれるだろう。そうすると僕が10万円分の排出量を買えば、その人は僕が10万円でやったときよりもたくさん植林してくれるわけだ。そのほうが地球にはいい。
  • 本当は各製品に排出量表示がなくても、すべての製品が排出量の分も価格に上乗せされて反映されていればもっといい。そうすれば、僕たちは値段だけを考えればよくなる。その分自分の仕事に専念でき、社会問題に頭を悩まされなくていい。お金で解決可能な問題なのに、みんなで頭を悩ませるなんてなんて非効率だろう。

(2)

  • 少子化問題も同じかもしれない。僕は正直少子化は問題でもなんでもないと思っているけど、世の中の人はそうではないのだろう。それなら1人よりも少ない子供しか持っていない人(僕もそうだ)は、毎年その不足分に対してお金を払うことにしたらどうだろう。その代わり、そのお金は政府には一円も入らず、すべて平均出生率以上の人たちに、その超過分に応じて支払われる。夫婦1組に対して3人の子供がいれば、それは1人当たり1.5人と計算する。そして政府は出生率の増減に応じて基準価格を調整する。
  • 僕はこんな制度は多分反対だけど、でもこの制度があれば、自動的に大人一人に対して子供一人になる。なぜなら、もしみんなこれにもかかわらず子供を産まなければ、出生率はさらに下がり、基準価格は上昇するだろう。そうするとまるで税金のように毎年結構なお金を取られる(たとえば10万円とか)。一方で、わずかの子供を産んだ人たちはその多くの国民が払ったお金を山分けすることになるので、ひとり生まれるたびに毎年収入が1000万円増えるんですよ、とかになって、もう仕事やめて育児しかしていません、なんてことも可能になるわけだ。
  • これが悔しかったらみんな結婚して出産する。そうすると、今度は出生率が上がるので基準価格は減少する。そうなると、今度は未婚の人の毎年取られる額は大幅に減って、結婚して生まれても毎年10万円くらいしかもらえなくなる。・・・こうして最初はいったりきたりになるかもしれないけど、最終的には安定したラインにおちつく。
  • 少子化を食い止めるためにキャンペーンをするとか、啓蒙活動をするなんて実にバカらしい。しかもそういうことするとすぐにお金がかかる。そしておそらく全く効果がない。・・・この方法なら全く費用は要らない。税務署の課税・還付項目を一つ増やして、戸籍から各自の子供の数を計算すればいいだけだ。税務署の人の増員が必要かもしれないけど、それは1%未満だろう(現在の時点で税金には100以上の項目があるだろうから、それに一つ増えたところで1%以上仕事が増えるとは思えない)。
  • この解決法においても、各自は日本の少子化問題なんて気にしてない。単に金銭的に損したくないだけだ。でも各自が金銭的に損したくないと思うだけで、自動的に少子化問題という社会問題が解決しているのだ。
  • ちなみに人口が増えすぎて困る場合は、基準価格をマイナスにする。つまり産みすぎると課金。産まないでいると収入がもらえる。

(3)

  • 物事をお金だけで解決しようとするなんてけしからんという人もいるだろう。しかしこれで解決する問題は多いだろう。しかも他の方法では効率が悪すぎることも少なくない。そうであるならば、なぜ実施をためらうのか。
  • みんな世界のあらゆる問題を知り、その解決のために直接貢献するべきなのか(そして自分の得意な本業を犠牲にするべきなのか)。それとも、問題解決のための費用だけを負担し(そしてその費用は市場や実勢調査などにより合理的に決められる、税率のように人為的に上げ下げするのではなく)、各自は自分の得意なことだけに集中して、収入を最大にするのか。
  • 市場や実勢調査で決めた費用は、問題解決のための最小コストである。もしそうでなければ、つまりもっと安く解決する方法があれば(=もっと安く植林する方法があれば、もっと安く子供を養育することが出来るのなら)、じゃんじゃん植林して排出権を売って、たくさん子供を産んで、大金持ちになることが出来る。で、それができるならみんなやる。そうすると、排出量の値段は下がるし、出生率も上がって基準価格が下がる。この調整は排出量価格や基準価格が、問題解決のための最低価格になるまで続く。・・・だから、この方法は、最も安い方法で問題を解決し、そしてもっとも多くの収入を得る方法なのだ。最高じゃないか。

(4) 追記

  • 日本でも排出量取引が普通に出来るようになったら、僕も排出権を買ってOSASKの開発のために使った二酸化炭素量(電気とかメモの紙とかPC製造にかかった思われる排出量とか)をすべてキャンセルしたいなあ。OS自作入門も出版社に問い合わせて、排出量ゼロ相当にしたい(紙をたくさん使っているので、結構森林伐採しているわけだから、排出量は小さくないと思われる)。そうすると、OSASKの開発で二酸化炭素を排出していないと宣言できるし、OS自作入門も二酸化炭素排出量に影響を与えていないと宣言できる。もしかしたら、開発時排出量ゼロOSや出版時排出時ゼロのコンピュータ技術書って、どちらも日本初なんじゃないか?うおーかっこいい!
  • ああでも、OSASKの場合、僕一人ですべてのプログラムを書いたわけではないから、他の人の使用分も多めに予想してその分も買わないとダメだな。本にしても、僕が執筆中に使った分や、挿絵やテスト読者の消費分も考えなければ。
  • ちなみに排出量ゼロっていうのは、言うまでもないことだけど、削減目標10%とか50%とかよりもすごいことで、100%削減ということだ。
  • 排出量の費用が原稿料のかなりの割合を占めるとか、もしくは逆転してしまったりするようであれば、この計画はあきらめるかもしれない。それでも少しは買って、排出量は本来の量の半分しか使用していません、とかにできたらいいなあ(排出量50%)。・・・もし排出権が十分に安ければ、排出量を2倍買って、OS自作入門を1冊買うと、同じくらいの厚さの別の本の分も排出権がゼロにできるよ、とかにしたいなあ。これはいうなれば排出量-100%ってことだ。・・・これなら本を買ってくれた人はみんな排出量の面で環境対策に貢献したってことになる。つまりみんないい人ってことだ。買ってくれた人みんなをいい人にしてあげられるなんて、なんていい本だろう。
  • こういうことを計画して実行していくことが、僕にとっての「自分に出来ることを少しずつやっていく」ことなんだと思う。

こめんと欄


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Last-modified: 2008-08-03 (日) 12:58:10 (5075d)