サブプライムローンのような証券化商品の問題点

  • (by K, 2008.10.11)

(0)

  • テレビを見ていると問題点を誤解させている(というか番組の作り手がそもそも誤解している)のではないかと疑問に思った。

(1)

  • サブプライムローン問題が起きた理由として、債務不履行リスクが比較的高いものを多数集めて、それでその最優先部分(=債務不履行になった場合に他の債権者よりも優先的に回収できる)を優良債権にするのが問題だといっている気がする。でもこれは全然問題じゃない。
  • これはつまりこういうことだ。1〜6の目が出るさいころがあって、そのさいころで1が出た場合は100円、2〜6が出た場合は10円しかもらえないというゲームがあったとしよう。こういうゲームを1万個集めれば、全体としてはかなり期待値に近い振る舞いをすると期待できる。それで、そのもらえたお金を優先的にもらえる人、優先的にもらえる人全員が満額受け取った後にまだ残っていればもらえる人、さらにその人も全員もらっても、まだ残っていればもらえるという人、の3種に分けて、それぞれランクをA、B、Cとすることに問題があるだろうか。いや、まったくない。ランクAは、総額が期待値の半分以下くらいで設定しておけば、確かにほぼ確実に返ってくる債権と見なしてかまわないだろう。
  • 問題はここじゃない。このさいころのほうだ。ここまでの論理が成り立つのは、さいころが全部独立変数であった場合だ。つまり、さいころaで1の目が出たからといって、さいころbでどんな目が出るか影響されることは全くない、そういう独立なさいころが1万個あれば問題はないのだ。しかし残念なことに、米国全体が不景気になってさらに担保である中古住宅価格がさがってしまうと、さいころの目はみんなそろって「債務不履行」になってしまうのだ。つまりこれは完全な独立変数ではなかった。むしろ全体が一つの大きなさいころで支配されていたのだ。ほぼ全員が債務を履行できるか、もしくはほぼ全員が不履行か。これじゃあ債権をまとめて作ったランクAの部分もランクCの部分も、履行確率に大差ない。ランクAの人は信用して当てにしていたのに投資資金は返ってこなくなった。

(2)

  • この問題は何もサブプライムローン関連債権だけではない。たとえば資産三分法なるものがあって、資産は三等分し、一つは定期預金(もしくは国債)、一つは土地などの不動産、一つは株を買え、みたいなことが言われているらしい。これの言わんとするところは、どれか一つが失敗しても、残りの二つは何とかなるだろう、ということらしい。つまりそれぞれが独立変数であると仮定しているのだ。しかし実際はどうだろう。みんながこの三分法を実行した影響なのか、それとも単に景気に連動しているだけなのか、株が下がれば土地も下がってくる。そして国債の市場価格(満期前に現金化した場合の値段)も下がってきている。これじゃあダメじゃないか。
  • また株式にしたって、日本株ばかりじゃダメだ、他の先進国や途上国の株も持って分散投資しようとか言われていたと思うけど、これも結局はそれぞれが独立変数であることを期待しているからこそだ。日本がダメでも新興国がうまくいくかもしれない、とかいう考え方だ。でも実際はみんながそうしたせいなのか、結局日本株で損をした人はお金に困って新興国の株も売却することになり、この連鎖で世界中の株が連動して下がっている。つまり全然独立変数になっていない。分散投資の意味がほとんどない。
  • だから僕らは米国がバカだとか自分たちはそんなへまをしてないなどとはいえないのだ。収益を安定させるためにリスクを分散したいのなら本当に独立なものを探すべきなのだ。

こめんと欄


コメントお名前NameLink

リロード   新規 編集 差分 添付   トップ 一覧 検索 最終更新 バックアップ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2008-10-12 (日) 00:47:24 (5009d)