* 未成年の○○は法律で禁じられています -(by [[K]], 2008.05.12) *** (1) -未成年はお酒を飲んではいけない。未成年はタバコを吸ってはいけない。確か競馬やパチンコもできない。中古品の売りも制限されていたような気がする。 -これらはたいていなぜダメなのかというと「法律で禁じられているから」というのが一般的な回答である。だがしかし、これを聞かされて納得するような未成年は一流じゃない(僕の基準では)。 -法律だけが理由なら、つまり法律がすべきではない制限を未成年に課しているのなら、そんな悪法をできるだけ早く撤回してやるべきだ。未成年は参政権がないのでやりたくても法律を直させるように働きかけることができない。だから合理的ではない法律がまかり通っているのは全面的に「大人ども」の責任であって、だから大人は未成年に謝罪すべきということになる。 -そうではなくて、つまり法律もそうだけど、そもそもその法律が制定される根拠があったはずだ。その根拠を大人は未成年に示すべきだ。それが合理的であれば、未成年だって納得する。 -ただ僕には分からないことがある。たとえば飲酒の可否が20歳なのは、いったいどういう根拠なのか?19歳や21歳ではないのはなぜなのか?そこで飲酒による悪影響度のグラフが急変するのか?タバコも同じなのか?・・・だんだん疑わしくなってきた。絶対にこれには個人差があるはずだし、もしそうなら病院でしかるべきテストを受けて合格した場合は、20歳未満でも許可するべきなんじゃないのか?それともどの年齢であろうと悪影響が無視できないほどあるのなら、年齢にかかわらず禁止にするべきだ。いやもっとややこしい理由があるのかもしれないが、とにかく、僕は30歳をゆうに超えた今でも、その根拠を全然知らないのである。 -これは僕にとっては非常に不覚である。つまり僕は根拠も知らないくせに信じて従ってきたのだ。教えてくれなかった周囲の大人を恨みたいところだが、それよりむしろ根拠を教えてくれと一度も言わなかった自分が恥ずかしい。聞かないから教えなかったんだよって言われたら返す言葉がない。これじゃあ心霊現象を根拠なく信じている人たちとなんら変わりない。 *** (2) -さて、それじゃあ根拠を探すぞ! ~ ~ -どうやら科学的には20歳最未満で健康に影響が著しく大きい、みたいなことはないようだ。ただ未成年は判断力が未熟だから、未成年のうちに常習性があるものに触れてしまう危険をなくすべきだという考え方が基礎なんじゃないか、みたいなことをいう人が多数いた。 -でも判断力を問題にするのであれば、その判断を保護者に任せるほうが自然だと思う。保護者は未成年者が起こしたことのすべてにおいて最終的に責任を取ることになっている。子供が野球をしていて人のうちの窓を割ってしまったら、弁償責任があるのは保護者なのだ。つまり保護者は未成年者に対していかなる教育をすることも可能な代わりに、正しくない判断をした場合の責任を負っているわけだ。この枠でどうして飲酒や喫煙が扱えないのだろう。 -比較してみよう。現状では法律がダメといっているからダメ、という理由で未成年の飲酒や喫煙を禁じているが、こんな説明で果たして判断力の足しになるだろうか?むしろ、じゃあ成人したらいいんだ、くらいにしか思わない。逆に、体に良くないんだ、こんなに良くないんだ、しかもやめたいと思ってもやめられなくなることもあるんだ、だからダメなんだ、と教えたらどうだろう。そのほうがずっと判断力が付く気がする。 --その上、きっと何年かに一度これにもかかわらず健康を害してしまう若者が出てくるはずだ。その若者は自身の身をもってタバコやお酒の害を知るわけだが(自業自得だ)、これは周囲の若者にも強力な説得力を持つだろう。ああ、ああなってしまうのか、と。これほど効果的な教育があるだろうか。 -この説明ができない理由を考えてみると、結局「じゃあどうしてお父さんやお母さんはそんな悪いお酒を飲むの?」と聞かれて困るからだろう。タバコだって聞かれるだろう。そのときに、お父さんやお母さんはもう誘惑に勝てないからなんだよ、と言えない。それで法律のせいにしてごまかしているだけなのだ。結局この法律によって守られているのは子供の健康などではなく(もしそれが目的なら、20歳ではなくずっと禁止したり、もしくは科学的根拠に基づいた年齢までの制限にするべきだ)、保護者や喫煙者・飲酒者のメンツである。くだらない、実にくだらない。 -もちろん僕だってたとえば飲酒も適量を守ればむしろ体にいいことくらいは知っている。喫煙に適量があるのかどうかは分からないが、もしかしたらあるのかもしれない。そうだとすれば、20歳でONかOFFか、みたいに区切るのではなく、お酒の適量は一般に体重の1%までです、とかなんとか言えばいいのに。年齢も関係するのならそれも式に組み入れればいい。これならみんな健康だ。そして適量を守っていれば、メンツも損なわない。 -もちろん僕だってたとえば飲酒も適量を守ればむしろ体にいいことくらいは知っている。喫煙に適量があるのかどうかは分からないが、もしかしたらあるのかもしれない。そうだとすれば、20歳でONかOFFか、みたいに区切るのではなく、お酒の適量は一般に体重の1%までです、とかなんとか言えばいいのだ。年齢も関係するのならそれも式に組み入れればいい。これならみんな健康だ。そして適量を守っていれば、メンツも損なわない。 -僕としては、どんなことであれ、合理的ではない理由で人間の自由が束縛されることはあってはいけないと思う。未成年だってしたいことはいろいろあるだろうし、それで他人に迷惑を掛ける心配がないならやってもいいと思う。たとえそれがどんなに愚かなことであっても。人は失敗から学ぶ事だってあるんだ。転ばないと分からない人だっているんだ。それなのに転ばないようにしてしまう。そして大人になってから始めて転んで大失敗になったりする(子供の頃は失敗しても失うものが小さいからいろんなことを失敗できる、やり直す事だって簡単だ、でも大人はそうは行かない)。こんな法律をでっち上げたバカは一体自分を何だと思っているのか。他人が成長するかもしれない機会を奪う権利が自分にあると思っているのか?神様か何かなのか?恥を知れといいたい。・・・そして今までこの法律に疑問を感じなかった自分がひどく恥ずかしい・・・。 * こめんと欄 #comment