* 「LPガスはクリーンエネルギー」は嘘じゃないか?
 -(by [[K]], 2008.06.20)
 *** (0)
 -昨日ポストにLPガス協会の一般家庭向けパンフレットが入っていた。そこの表紙に「LPガスはクリーンエネルギー」と書いてあった。「えええ!」と思ってパンフレットを手に取り、隅々まで目を通したものの、何を根拠に「クリーンエネルギー」だと書いたのかの説明は全くない。
 *** (1)
 -ということで次はwebを検索してみた。見つかった。
 --http://www.j-lpgas.gr.jp/intr/01/
  クリーンエネルギーとしてLPガスのすぐれている点は、次の通りです。
   1.燃焼による排ガス中のCO2量は、石油や石炭に比べて非常に少ない
   2.LPガスには硫黄分の含有量がほとんどなく、窒素も含まれていない
   3.ススや灰分を出さない
   4.オゾン層破壊の心配がない
 -なんだと!この程度で「クリーンエネルギー」とか言っていいのか?僕は二酸化炭素を出す時点ですでにちっともクリーンじゃないと思っていたのだが・・・。それに石油だって石炭よりはクリーンなわけで、そういう比較レベルで際限なく言ってもいいのであれば、石油はクリーンエネルギーだということになってしまう。
 -うーむ、もしかしたら僕の理解している「クリーンエネルギー」の単語の意味は世間一般で言われているものからずれているのだろうか。心配になってきた。
 --http://dictionary.goo.ne.jp/search/%A4%AF820296044483120200/jn/5/
  クリーンエネルギー
   〔(和製) (英) clean+(ドイツ) Energie〕
   化石燃料の燃焼や原子力などと違って,廃棄物によって環境を汚染することのないエネルギー。
   太陽熱・地熱・風力・波力など。
 -なんだよ、あっているじゃん、僕!
 *** (2)
 -さらに検索してみたところ、こんなのも見つけた。
 --http://eco.goo.ne.jp/word/ecoword/E00114.html
  クリーンエネルギー 詳細解説
   電気や熱に変えても、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、
   または排出が相対的に少ないエネルギー源のこと。いわゆる自然エネルギーである太陽光、
   水力、風力、地熱などのほか、化石燃料の中では有毒物質の発生が少ない天然ガスもクリーン
   エネルギーと呼ばれることがある。
   (以下略)
 -むう、同じgoo内でも見解が統一されているわけではないようだ。こっちの意味だと、「クリーンエネルギー」という語はただのイメージ先行の語で、単語の意味はあいまいで、日本語としての記述力はほとんどないことになる。いわゆるうさんくさいだけの単語だ。「自然エネルギー」のほうがましだ。
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 -この問題は、「オープンソース」という語の問題に似ているのかもしれない。しかしオープンソース問題は、オープンソースという語を作った人たちがしっかりと定義してくれたので、問題は解決した(それでも誤用は完全にはなくならないが、それは誤用している人が一方的に悪い)。・・・でもクリーンエネルギーに関しては、そういうことがされていない。だから、こんなに混乱した事態になる。言語を覚えようとする人、使おうとする人にとって、意味の明確ではない語が生まれることほど迷惑なことはない。こういう混乱がおきるかもしれないのに、そしてそのときに定義を明確にしようという気も無いくせに、無責任に「クリーンエネルギー」とかいい題したバカ者はいったいどこのだれだ?
 -僕も「エミュレータOS」で似たような問題に遭遇したけど、僕はちゃんと定義っぽい文章を書いた。
 --http://osask.jp/boyaki.html
 *** (3)
 -仮に(2)での意味合いで「LPガスはクリーンエネルギー」だと書いたのなら、まあ間違いであるとはいえない。しかし、ではこれを一般家庭向けのパンフレットにわざわざ偉そうに書くことについて考えてみたい(しかも説明もなく)。
 -結局、LPガスがクリーンだというのは、石油ストーブをガスストーブに変えろという趣旨なのか?(給湯やお風呂はエコキュートとかのほうがエネルギー効率よさそうだし、加熱調理もIHのほうがエネルギー効率よさそうだから)。でもなあ、ストーブだって(電気による)ヒートポンプ方式のエアコンのほうが効率よさそうなんだけどなあ。・・・で、そんなことだけのために、「LPガスがクリーンだ」と説明もなく家庭用パンフレットに書いたわけだ。うちの家族だと、僕以外の者はこのトリックに疑問を感じないので、僕が指摘しなければ、なんだなんでもガスのままでいいんだ、とか誤解してしまう。
 -結局、LPガスがクリーンだというのは、石油ストーブをガスストーブに変えろという趣旨なのか?(給湯やお風呂はエコキュートとかのほうがエネルギー効率よさそうだし、加熱調理もIHのほうがエネルギー効率よさそうだから)。でもなあ、ストーブだって(電気による)ヒートポンプ方式のエアコンのほうが効率よさそうなんだけどなあ。・・・で、「石油ストーブをガスストーブに変えろ」といいたいためだけに、「LPガスがクリーンだ」と説明もなく家庭用パンフレットに書いたわけだ。うちの家族だと、僕以外の者はこのトリックに疑問を感じないので、僕が指摘しなければ、なんだなんでもガスのままでいいんだ、とか誤解してしまう。石油ストーブのガスストーブ化の推進なら、はっきりそう書けばいいだけだ。
 -つまりこの表現は害のほうが大きい。ミスリードなのである。こいつらのせいで市民の認識は混乱し、正しい温暖化対策から後退したのは間違いない。こいつらは自分たちの利益を守るためだけに社会全体に迷惑をかけてもいいと思っているのだ。こんな無責任なことをする「LPガス協会」は、まあそこまでしないとやっていけないほど追い詰められているんだろうけど、「かなりうさんくさい無責任協会」だと個人的に認定することにした。
 *** (4)
 -一般家庭でほかにガス化が好ましいものについて調べてみたら、どうやら自動車があるらしい。ガソリン車ではなく、ガス車にすればいいというものだ。これはなるほどそのとおりだと思う。もちろん水素自動車や電気自動車のほうがいいわけだけど、それらはとんでもなく高価なので、現状ではガス車は有効な選択肢だと思う。
 -でエネルギー効率重視で行くとスクーターが最強だと思うんだけど、なんとガスで走るスクーターはまだ存在していないらしい。なんだかなあ。・・・いや、日本ではないだけで、中国にはあるらしい(しかもそれなりに普及しているっぽい)。ダメだ日本・・・。
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 -電動アシスト自転車(電動ハイブリッド自転車)で十分ってことなのかな。まあ確かに、これで十分な範囲では、こっちのほうがさらに省エネだと思う。最近は、ブレーキかけたら充電してくれる自転車まであるんだなあ。
 -全然関係ないけど、自転車について調べているうちに電球型蛍光管の新型の「パルックボールプレミアQ」なるものを知った。うーん、これはすごいかも・・・。
 -脱線ついでに。「く〜るCOOL」も面白そう。まあ僕は缶飲料をあまり飲まないので関係ないけど。
 --http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/column/2008/06/19/2461.html
 -さらに脱線すると、名古屋OSCに行ったら、ついでに「スガキヤ」というラーメン屋さんに行こうと思った。
 * こめんと欄
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