* 僕の本の書き方・プレゼンテーションのやり方
 -(by [[K]], 2008.07.13)
 *** (0)
 -論文を書くって大変ですよねー、とか軽く話しているときに、僕がおせっかいで「僕はこうやって本を書いたよ」っていったら、「おお!それ使える!」と喜ばれた。発表会の資料作るときも自分の経験談をしたら喜ばれた。
 -もしかして僕ってユニークでいいノウハウを持っているのかな?いやでもやっぱりみんな心優しくて、お世辞を言ってくれただけなのかな?まあいいや、とにかく調子に乗ってここにも書いておくことにする。将来自分が「うわースランプだー、何も書けない!」ってなったときに読み返したら役に立つかもしれないし、もしくは「ぷ、若いときはこんなめちゃくちゃな方法で書いていたのか」と苦笑いするネタにはなるかもしれない。
 *** (1)
 -とにかく書け。何でもいいから書け。どこからでもいいから(つまりいきなり最後のページからでもいいから)書け。頭がまとまらなくても書け。
 -書けば問題点が見えてくる。書いてみると実は心配していたほどじゃなかったかもしれない。
 -書かずに思い悩むのは、たいてい時間の無駄である。
 -たぶんこの方針が役立つのは、僕がバカだからに違いない。バカだから、書かないと本当の問題に気付けない。そしてしなくていい心配をする。
 *** (2)
 -言いたいこと、伝えたいことを決めろ。
 -これはいくつでもいい。1つでもいいし、なんと0個でもいい。このとき、これは出来れば伝えたいけど、伝えられるかどうか分からない、なんてことがあるが、とりあえずそれは気にしないで言いたいことに数えていい。
 -もし0個だったら、つまり自分はこの文章を書きたくないのだ(プレゼンをやりたくないのだ)。そういう時は、その事実から目をそむけないで、ただの時間つぶしプレゼンにする。文章なら当たり障りのない適当な内容を目指す。というか、書かないで済むならそもそも書かない。プレゼンも辞退できるなら辞退する。
 -なお、当然のことながら書いているうちに言いたいことが増えたり減ったり変わったりする。そんなのはしょっちゅうある。だから気にせず言いたいことリストは増減させよう。
 -言いたくないことは言わなくていい。言いたくないことを言うのは楽しくないからやる気が出ない。だから途中で飽きる。それにやる気ない文章は仮に書けたとしても実につまらない。失敗すると分かっているのだから、最初からやらなければいい。
 *** (3)
 -言いたいことが決まったら、それを最短で説明する方法を考えろ。
 -たとえば言いたいことが3つあり、A、B、Cとしよう。これを分かってもらうには、まずBを説明して、それからAを説明して、最後にCを説明するのが一番流れが自然で短く出来る、と思ったらその順序にしたらいい。言いたい順、重要順にしてはいけない。重要なのは最後にもう一回でかい字(でかい声)で力説すればいいだけだ。
 -省略できることはすべて省略する。省略できるってことは、結局言わなくてもいい脱線なのだ。そんなものは無駄だ。読者や聴衆も気が散る。だからいらない。
 *** (4)
 -(フォーマルなものでなければ)感情的になれ。
 -これはすごい!とか、これはひどい!とか。主観を隠す必要はない(もちろん書き方というものはある。「これは極めて重要に思われる。」とかになる場合もある)。主観がまったくないと、結局何が言いたいんだかよく分からない。主観があるから、読者や聴衆は、この意見には賛成だ、反対だ、と自分の立場を決めやすくなり、話に乗りやすくなる。
 *** (5)
 -挑戦しろ。
 -なんかこんなの説明できないよ、とか思うこともある。そういうときは挑戦だ。ダメならダメでいいじゃないか。やる前からあきらめてヒヨった内容にするのが面白いか?ここでいうのは、読者や聴衆にとって面白いかどうかではなく、書いている自分が面白いかどうかだ。
 -なんというか、自分が面白がって書けたものは、結局内容がどうしようもなくしょぼくても、まあ救いどころはあるものだ。
 *** (6)
 -書き直せ。書き直すつもりでいろ。
 -一生懸命に書いたけど、でもそれを全部放棄して最初から書き直した)、とてもうまく書けたことがある。一度一通り書いたことで、何を書くべきかが整理されたんだと思う。ちなみに僕は書き直すときは、元の文章もメモも見てない。見るのは書き忘れがないかどうか確認するときくらいなものである。
 -一生懸命に書いたけど、でもそれを全部放棄して最初から書き直したら、とてもうまく書けたことがある。一度一通り書いたことで、何を書くべきかが整理されたんだと思う。ちなみに僕は書き直すときは、元の文章もメモも見てない。見るのは書き忘れがないかどうか確認するときくらいなものである。
 -書き直すつもりだからこそ、書けることもある。そして書いてみると結構残してもいい質に達している場合もある。
 *** (7)
 -難しい言葉を使うなとか、グラフなどイラストを活用しろとかは、他の人がコツとしてもっとうまく言っている気がするので、僕からはいわない。僕は勝てない勝負はしないのだ。えっへん(笑)。
 -あ、でも、表現にこるよりは内容にこったほうがいい。表現で劇的に改善するのは事実だけど、内容で改善したら表現の改良の何倍も改善する。
 
 *** (8)
 -実例:
 --OS自作入門で、OSASKでの考え方をどうしても説明したくなった部分があって、それを100行くらい力説したことがあった。しかし書いたら非常にすっきりして、読み直したら明らかに文章全体の流れからは浮いている。ということでごっそり削除。・・・要するにただの無駄だが、この作業をしないと僕はいつまでもくすぶり続け、欲求不満だったり、他の文章の端々にそういう主張を織り込んだだろう。そうするとなんか奥歯に物がはさまったような悪い文章になる。書きたいことはとにかく一度書くべきなのだ。それで冷静になれる。
 --・・・こういう経験はこのboyaki_aシリーズを書いているときも非常によくある。社会への不満が爆発して、散々ののしった挙句、別に解決策も何も無いので、段落ごと削除したりする。
 -実例:
 --僕のプレゼンを見たことがある人は分かると思うけど、プレゼンとしては最低の表現レベルだ。文字ばかりである。プレゼンの本で言うなら「アイテスト」(視力検査)などと呼ばれる最低レベルだ(文字が読めるかどうかのプレゼンですか?という意味)。しかしそれでもプレゼン後の評判は、かなりいい。僕は表現に時間をかけてないがそのぶんだけ、内容に時間をかけているのだ。そしてそれでも十分に高い評価を得ることは出来るのだ。・・・まあ、内容も表現も最高ならそのほうがいいに決まっているんだけどね。
 -実例:
 --「30日でできる!OS自作入門」で一番言いたいことは何かというと、それは最後の章だ。そもそもあんな長いあとがきがついている技術書なんて僕は見たことない。でもあのあとがき章に説得力を持たせるために、それまでの30日分がある。・・・でも読者の多くは最後の章をそれほど真剣には読んでいないだろう。まあ世の中なんてそんなものだ。でもそれでいいのだ。
 * こめんと欄
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