* 基本的人権なるもの
 -(by [[K]], 2008.09.10)
 *** (0)
 -憲法には基本的人権なるものがある。これらは絶対に正しくて絶対に守られるものだと信じている人がいる。でも僕はそうは思っていない。
 *** (1)
 -たとえば言論の自由というのがある。要するに何を言っても言いということだ。しかしこれは飽くまでも「現行の国家(日本政府)」との約束でしかない。他の国の人に対して、たとえば現地の神様を激しく糾弾するような発言をしたとしよう。そうすればきっとものすごく怒るし、怒りのあまりあなたを排除するべく、暴力的な行動にまで及ぶかもしれない。このとき、彼らを責めるのはお門違いもはなはだしい。彼らは一度だってあなたの言論の自由を保障するなんていってない。だから、彼らは全く何の罪もない。何の確認もしないで好き勝手にやったあなたがマヌケなだけである。
 -日本政府は憲法の中でいろいろな権利を保障するといっている。憲法の中で、納税などの義務について言及しているが、それらを全うしなければ権利を保障しないとは一言も書いてない。だからおそらくこれらは独立事象で、義務の履行にかかわらず、権利はいつだって保障してやるといっているのだろう。なかなか太っ腹だと思う。・・・まあ逆に言えば権利を一つも行使しなくても義務は守らないといけない、ということでもあるわけだけど。
 -もし僕があなたの基本的人権のどれかを侵害したとしよう。その場合、あなたは僕に対して、権利の不当な侵害だと起こるだろうけど、厳密な意味ではこの申し立てはおかしい。権利を保証しているのは政府であって僕じゃない。だから保障されているはずの権利が侵害されたなんておかしいじゃないかという相手は、たぶん政府だ。常識を無視して論理的に考えれば、損害賠償を要求する事だって出来るだろう、僕にではなく、国に対して。だから僕の賠償能力を超える要求だって、正当であれば本来は認められるべきだ。
 -そもそも僕があなたの基本的人権を尊重しなければいけないという法律はどこにあるんだろう。他者の人権を侵してはいけないって書いてあるのかな。いわれてみるとそういうのがあったかもしれない気がしてきた。しかしなんにせよ、この要求というか契約は政府との間でなされたもので、あなたとの間でなされたものではない。だからあなたが僕の非難するときは「お前は私の人権を損害している」とはいえても、あなたは僕に対して直接怒るべきではない。政府に対して、どうしてこんなことを許したんだ、約束が違うじゃないか、と怒るべきだ。そして政府から僕に対して法律違反を指摘するべきだ。
 *** (2)
 -日本政府の法律の中には、状況にとっては到底持続可能とは思えない法律もある。国民は誰でも健康で文化的な生活をする権利を有しているそうだが、ではもしいっせいに全国民が貧しくなって、ろくな納税が出来なくなったとしよう。そしてみんな少々不健康になったとしよう。そんなとき、この権利を守るための生活保護の費用はどこから出すのか。借金するのか。しかしどう見ても返せる当てはないし、そもそも国債を買える国民がいるのか。・・・つまり政府は見栄を張って、できないかもしれないことを偉そうに保証するなどといっているのだ。こういうのはうまくいっている間だけしか機能しない。悪循環にはまりだすと、どんどん苦しくなり、最後にはできなくなる。
 -これがもし僕が[[boyaki_a/00107]]に書いたような再分配を保証する、という文言であったなら、これは常に実行可能だから、政府はどんな状況でもこの約束を守れる。もちろん誰もが課税最低限を下回るような収入しかなければ、再分配用の税収はゼロになり、再分配額もゼロになるだろうが、とにかく政府は保証したことを履行できていることに違いはない。
 -つまり僕が言いたいのは、政府が今保証しているなどという権利は、所詮は政府の気まぐれや能力で保証できなくなったりするものなのだということだ。ちょっと気前のいい人との口約束みたいなものだ(文章にしてあるからそれ以上ではあるけど、法律を一方的に改正されることはありえる。これが個人と個人との契約や個人と法人との契約などであれば、違約金を払うなどしなければあなたの同意なくして契約内容は変更できない)。政府が破綻するまでどこまでも必ず守りますとすらいってない。僕たちが間接的に選んだ国会議員が、これはだめだなと言って改正案を出し、そして他の国民もそれに賛成してしまえばそれで終わりだ。
 -こんなもののどこが絶対的だろう。それを当然のことのように言う人は、僕からすればやはりマヌケにしか思えない。僕は違う。政府に対して「僕に対して、そんなことまで保証してくれちゃって大丈夫なの?でもありがとう」みたいな感じだ。また一方では、他人に対してもこんな過剰な保証をしてしまって、本当に大丈夫なんだろうか、そのツケがまわされているのだとしたら嫌だなあ、とも思う。とりあえず借金を減らしたいと思っているのにもかかわらず、減らせないみたいだし、もしそういうことなんであれば、こういう見栄を張るのはやめたほうがいいじゃないかと思う。それで僕に対する保証も薄くなるだろうけど、持続不能なものは持続不能なんだから、それに今までが過剰だっただけで、本来のあるべき姿というわけじゃないんだから、仕方ないと思う。っていうか、できもしないくせに偉そうに見栄を張り続けたいなら勝手にすればいいけど、その場合、僕はツケを払いたくはないよ、といいたいのだ。
 *** (3)
 -そして本来保障できないような権利に対して、それが当然だという顔をして享受している人を見ると、やはり腹立たしく思う。たとえば自分は生活保護はもらえて当然だとか、払った以上に年金がもらえているけど、これも当然だとか、身体に障害があるから各種の優遇措置を受けられるのは当然だとか。
 -またさらに冗長して、老人だから周囲の人に親切にされるのは当然だとか、努力しているんだから能力がないせいで成果が伴わないけど申し訳なく思う必要はないんだとか、そういうのも僕は全部おかしいと思っている。本人がそういうのではく、他者が思いやっていうのならいいんだ。しかしいつのまにか思い上がっている人がいる。たとえば、仕事をして給料が増えたら生活保護が減額されるから、能力的体力的には問題ないけどこれ以上パート時間は増やしたくない、だって生活保護をもらえるのは私の正当な権利なんだから、これをとやかく言われる筋合いなんてないわよ、なんていう人に僕は心当たりがあるが、これでいいと本当に思うだろうか。もちろんこんなことが起きないように法律は改正するべきだが、しかしそれまでの間だって、「少しでももらえるなんて本当にありがたいことだわ、できるだけお世話にならないようにがんばりたい」ってどうして思えないんだろう。なにが「当然の権利」だ。
 -年金も同じだ。わしらの世代は払った額よりたくさんもらえているけど、そういう政府にしたのはわしらだからな、まあ長生きしたごほうびみたいなものじゃよ、もらった金はもちろん好きなように使うさ、あははは、なんてどう思うだろう。年金額の度重なる増額で今の若い世代やこれからの世代は、一体どれほど苦しい思いをするだろう。・・・長生きしたごほうびって何だよ。長生きしたいから勝手に長生きしているんだろう。なんで政府がそんなことに対してごほうびを出さなきゃいけないのか。政府にとってどんなメリットがあるというのか。もっと申し訳なさそうに出来ないのか。もらいすぎを自覚してお金が余っているなら返すべきだし、それができなくても、せめてバスや電車で若者に頭を下げて席を譲るくらいはできるはずだ。自分たちの年金を支えてくれる人への敬意すらない人たちをどうして支えなきゃいけないんだ。
 *** (4)
 -どうしてこういう誤解が生じるんだ。その一因は、政府が当然ではない権利を当然であるかのように言ってしまったためだ。もちろんこんなバカ政府でも、国民がしっかりしていれば、憲法ではあんなこといっているけど、本当はそうじゃないよね、って苦笑するだけで済むかもしれない。でも国民も同じくらいバカなのでそうはなってない。それになんだかしらないけど、社会科の教育では憲法は最高の完成度ですばらしい法律だという空気ばかり漂う(まあそういう建前にしないとみんなで憲法を勉強しましょう、覚えましょう、という話にはならないからかもしれないけど)。そのせいか、本来は何が正しいのかを考えて、それからそれが憲法でどのように書かれているかを確認するべきなのに、まず憲法を読んで、これが正しいとかいう感じで教える。こんなのは洗脳教育の典型的な方法だ。こんな国民ばかりじゃ問題点があっても改正できるわけがない。
 -こんな憲法とこんな教育なので、最高の刑罰がある「殺人」でさえ、なぜしてはいけないのかよく分からない人が大半だ。正しいか間違っているかはともかく、自分なりの答えすら持ってない人が多い。→[[boyaki_a/00060]]
 -もうダメだという気がしてならない。どこから手をつけていいかすら分からない。その上、こんなバカ政府を苦労して救ってやる必要があるんだろうか、こんなバカ国民のために苦労する必要があるんだろうかとも思う。それよりも僕はどこかまともな国へ移住するか建国して、そこでこのバカ政府がどうなるか高みの見物をするべきなんじゃないかという気までする。ついでに国債の空売りもしようか。→[[boyaki_a/00086]]の(7) だって、僕がおせっかいをやいてこの政府を立て直してやってもその価値が分からないだろうし、かえって余計なことをするなと怒るんじゃないだろうか。サルにリンゴ一個と引き換えに勝手にパソコンを与えても、こんなものはいらん、さっきのリンゴを返せ、というのと同じように。それだったらそれでいいじゃないか。自滅するのも自由だ。自分の分に合わないものを与えられても不幸だろう。
 -もうダメだという気がしてならない。どこから手をつけていいかすら分からない。その上、こんなバカ政府を苦労して救ってやる必要があるんだろうか、こんなバカ国民のために苦労する必要があるんだろうかとも思う。それよりも僕はどこかまともな国へ移住するか建国して、そこでこのバカ政府がどうなるか高みの見物をするべきなんじゃないかという気までする。ついでに国債の空売りもしようか。→[[boyaki_a/00086]]の(7)。だって、僕がおせっかいをやいてこの政府を立て直してやってもその価値が分からないだろうし、かえって余計なことをするなと怒るんじゃないだろうか。サルにリンゴ一個と引き換えに勝手にパソコンを与えても、こんなものはいらん、さっきのリンゴを返せ、というのと同じように。それだったらそれでいいじゃないか。自滅するのも自由だ。自分の分に合わないものを与えられても不幸だろう。
 -そもそも僕にこの政府を立て直したり、国民を啓蒙するだけの能力があるとは思えないから、この結論でちょうどいいかもしれない。適当にこんなところで書き散らかしておいて、わずかな賛同者(が、もしいたら)と一緒にどこに移住しましょうか、どこに建国しましょうか、なんて話しているほうがいいと思う。
 
 * こめんと欄
 #comment

リロード   新規 編集 差分 添付   トップ 一覧 検索 最終更新 バックアップ   ヘルプ   最終更新のRSS