* 弱者の遺伝子の行方
 -(by [[K]], 2008.07.23)
 *** (0)
 -男性は結局遺伝子のキャリアでしかないのだから、ふさわしい女性に出来るだけ多くの子供を産ませなければいけない、産ませたやつが勝者だ、とかいう短絡的な思想が一部の人にはあるらしい。
 -これが結局無意味であることを示そうと思う。
 -関連:[[boyaki_a/00038]]
 *** (1)
 -この話は男性でも女性でもあてはまる。遺伝学的に何のとりえもない人(遺伝的弱者)が必死になって交配したとしよう。相手ももし遺伝的弱者であれば、(突然変異がない限り)結局遺伝的弱者が大量に生まれるだけである。そしてこれが何世代か繰り返されるとしても、結局弱者は淘汰される。つまりこの人ならではの遺伝子は何一つ残らない。
 -では遺伝的弱者が遺伝的強者と交配したとしよう。遺伝子的には、ブ男が美女と結婚したとか、貧しい人がお金持ちと結婚した、みたいなノリであり、これは一般的に劣った側が「いいわねえ、とくしたわねえ」とうらやましがられるわけだ。しかし、遺伝子的には得してない。交配して子供が生まれても、もし相手の良い遺伝子を引き継がなければいつかは(何世代か先で)淘汰される運命にあるし、相手の遺伝子を引き継げばそれは遺伝的強者・弱者という観点では、この人の子供ではなく相手の子供である。その人は相手から見れば繁殖するための培地でしかない。誰でもよかったのだ。・・・ということで、結局この人ならではの遺伝子は何一つ残らないことに変わりはない。
 -ちなみに突然変異によって遺伝的弱者から遺伝的強者が生まれることはありうるが、これは遺伝的には(その因子に限っては)赤の他人が生まれたようなものであって、この因子しか価値がいないのであれば、やがてそれ以外の因子は淘汰される。だからこの場合もこの人ならではの遺伝子は何一つ残らない。
 *** (2)
 -遺伝的弱者が遺伝的強者と交配するのは、遺伝学的には進化の妨害行為でもある。つまり強者同士なら遺伝子のいいとこ取りをした子孫が生まれる可能性があり、そしてこの子孫こそ後に大量に生き残ってそれが「進化」となるわけだ。それを遺伝的弱者と遺伝的強者の交配だと、いいとこ取りが出る可能性がない。つまり進化的には進歩がない。進化なんてただでさえ時間がかかるのに、その時間をさらにかかるようにしているだけだ。
 -結局残すべきものを持っている人は確かに交配するべきだが、そうでない人はそう積極的になるべきではない(突然変異に期待することはできるけど)。せいぜいインブリードでもして劣性遺伝子のうちの有害なものを持たない子孫を残すような努力をするのがいいのではないだろうか。そうすれば培地としては最高だし、遠い将来天敵や災害などで急激に人口が減っても絶滅をまぬかれやすい。・・・倫理的には大問題な結論だけど。
 *** (3)
 -遺伝的にいいか悪いかなんて今の技術では簡単には分からない。そもそもどの能力が遺伝でどの能力が遺伝ではないかすら、はっきりしていないものが多い。まあでも病気のなりにくさとか、非常に高い運動能力とかは、遺伝する可能性が高い気がする。
 -運動能力に関しては、スポーツ選手が社会的に評価されて収入も増えて生存競争上有利になっている。だからこれはいいと思う。でも病気になりにくい事に関してはどうだろう。病気にかかりにくくても保険料は同じように取られるし、社会的な地位も与えられない。これはよくないと思う。極めて健康な人はもっと評価されるべきだ。それまでの病歴からすごく健康的な人であれば、特別な健康診断を受けたあと(遺伝病の因子を持っていないこともこのときに確認)、ゴールド健康保険証とかになって、健康保険料が全額免除されるとか。もしくはそれ以上に年500万円くらいのボーナスがもらえるとか。何しろ病気になりにくい体質であることは、それだけでプロスポーツ選手並みに自慢していい事のはずだ。
 *** (4)
 -その昔、戦争で強いことがとても重視され、強いと領地がもらえたり貴族に取り立てられたりする制度があった。そして貴族であることは世襲された。これはつまり、戦争に強いことが遺伝すると仮定され、その因子を大切にしてきたということに相当すると思われる。貴族は貴族と結婚するのが普通であり、これは「いいとこ取り」の可能性をかなり高めた。
 -貴族以外の平民は貴族に搾取されてかなり苦しい生活を強いられた。この構図において、遺伝的弱者である平民は遺伝的強者である貴族邪魔をしていない。生活空間も食料も平民のせいで貴族が我慢しているということはない。つまり、この平民は貴族に対して全く害をなしていないのであり(むしろ年貢を納める分だけ益だ)、進化を妨げる危険は全くない。また病気になりにくい因子を持たなければこのような過酷な環境では生き残りにくいため、おそらく病気への耐性に関しては貴族以上のものを持っていたと思われる。・・・で、たまに貴族が平民の娘をさらってお嫁さんにしたりすると、ここでまたいいとこ取りがおきて進化した可能性がある。
 -貴族以外の平民は貴族に搾取されてかなり苦しい生活を強いられた。この構図において、遺伝的弱者である平民は遺伝的強者である貴族の邪魔をしていない。生活空間も食料も平民のせいで貴族が我慢しているということはない。つまり、この平民は貴族に対して全く害をなしていないのであり(むしろ年貢を納める分だけ益だ)、進化を妨げる危険は全くない。また病気になりにくい因子を持たなければこのような過酷な環境では生き残りにくいため、おそらく病気への耐性に関しては貴族以上のものを持っていたと思われる。・・・で、たまに貴族が平民の娘をさらってお嫁さんにしたりすると、ここでまたいいとこ取りがおきて進化した可能性がある。
 -このような貴族制度は歴史的には失敗だった。それは貴族が実はそれほどには有能でなく、実は平民のほうが能力的に上回っていたことがあったからである。もし圧倒的な差が常にあれば、平民が何度反乱を起こそうとしても貴族に鎮圧されていただろう。
 -この区分から言えば僕はどう考えても平民で、というか平民の中でも下級に属するような気がするが(運動できない、病気にも普通の人よりはかかりやすい)、どうせ最終的には自分の遺伝子は残らないと分かっているからこそ、遺伝的貴族の人たちの邪魔はしたくない。無能が有能な人の足を引っ張ることだけは嫌だ。そんなことをしたら無能から有害にさらにダウングレードしてしまう。・・・僕は誰が遺伝的に優秀で、誰がそうではないかわかりやすくしてあるほうがいいと思う。そして僕は虐げられるわけだけど、まあそれだけの理由があるのだから仕方ない。僕は本当に有能な人に踏み台にされる分にはかまわない。むしろ役立った、自分の人生には意義があったと思えるくらいだ。でも無能者や有害な人に利用されたくない。絶対に嫌だ。
 *** (5)
 -人間には非常に多量の遺伝因子があるのだから、誰だって一つくらいは平均以上の遺伝子を持っているはず、だから誰も全面的に遺伝的弱者なんかじゃない、という考え方もできなくはない。でもそれは何の根拠もない。僕らは遺伝因子をランダムに割り振られるわけではないのだから、どんなに遺伝因子数が多くても、やっぱり平均以上の因子を一つも持たない人が存在することは十分にありうる気がする。むしろ地球上の全人口の数割は似たり寄ったりの(=つまり平均程度の)因子しか持っていないんじゃないか?これもさしたる根拠はないんだけど、僕には直感的にそんな気がする。
 
 * こめんと欄
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