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20212021
* ビルゲイツは悪くなかった -(by [[K]], 2007.07.23) *** (0) -かつて僕は「ビルゲイツは悪い」と思っていた。どうしてかというと、僕にとってはWindowsはどうみても粗悪品であり、「こんなものにこんな高い値段をつけるなんてけしからん」と思っていたのだ。COLOR(#fd0000){しかしこれは間違っていた}、と思う。深く反省し、説明を書こうと思う。 *** (1) -たとえば砂漠の真ん中でコンビニを開き、ペットボトルに入った水だけを売るとしよう。日本で買えば2リットルで数百円だけど、砂漠の真ん中まで運ぶのにかなりコストがかかるし、それにここで水を買う人は水がないとつらくてしょうがないかもしれないから、足元を見て、100万円ということにしたとしよう。 -この値段がもし高すぎると消費者に受け取られれば、それは売れないだけのことだと思う。オークションで高値スタートした場合と同じだ。誰も入札しない。売れなければ、水を砂漠の真ん中にまで持ってきたコストが丸々損することになる。これは自業自得だろう。・・・逆にこれでも安い、買うだけの価値があると思う人がそれなりにいれば、売れる。何もたくさんの人に売るつもりがなくて、数人に売りさえすればいいのなら、高くてもちゃんと完売できるのかもしれないし、むしろ利益が多くなるのかもしれない。 -もしこれがぼろもうけであれば、他の人だって同じ商売を真似するだろう。でも100万円で買ってくれる人全員に売りつくしてしまったら、売れ残りが出始めることになる。それなら99万円に値下げしてでも売り切ったほうがいいだろう。それで99万円で売りはらってライバルたちを出し抜くことができる。 -こうして新規参入と競争が繰り返され、結果的に「ぼろもうけ」ではなくなるだろう。 *** (2) -僕の不確かな歴史の知識によれば、日本は中国などと貿易をしていた。日本は日本に豊富にあるものを売り、中国は中国に豊富にあるものを売る。そして日本で中国のものを売れば、それは珍しいために高く売れるし、逆に中国でも日本の製品は十分に高く売れる。・・・これこそ商売の基本だと思う。つまり、取引の双方が得をするし、満足する。 -これは同じものが国によって違う値段になっているところに目をつけた商売だろう。場所によって同じものの値段が異なるという意味で言えば、さっきの「砂漠で水」もまったく同じ話である。 -日本から中国に製品を輸出すれば、それはつまり国内で輸出用の買い付けがあるはずだから、日本国内価格は少し上昇しているはずである。また中国で売れば、それだけ希少度が下がっているわけだから、中国内価格は少し下がっているはずである。こうして、最後には日本でも中国でも輸送料を除けば同じような金額に落ち着くだろう。 ---- -昔は、豊作の年にお米を多めに買い付けて、不作の年に売ったりした人がいたそうだ(米商人?)。なるほど、これはうまくやればかなり利益が出そうな気がする。これは同じものが時期によって異なる値段になっているのを利用して、価格差を利益にしているのだと思う。 -そしてこれも結果として、豊作の年のお米の値段が(備蓄用の買い付けの分だけ)値上がりし、不作の年のお米の値段が(備蓄分放出の分だけ)値下がりするわけだ。 *** (3) -このような商売は、要するに流通というか、商社というか、まあそういうもので、自分自身は何も開発していない。ただ豊富な場所(もしくは時期)から希少な場所(時期)へ運んでいるだけである。かつての僕はこういう商売を少し軽視してたように思う(今はそれを深く恥じているので許してほしい)。ただ運ぶだけで大きな利益を上げるなんてずるい、もっと生産的なことをして利益を上げろよ、なんて思っていたのだ。開発・発明する人はただ売り歩く人よりもえらい(=社会貢献している)となぜか思い込んでいた。 -しかし考えてみれば、流通などで大きな利益を上げ続けるのは全然簡単じゃない。もし本当に簡単に大きな利益を上げていれば、他社だって新規参入して価格競争が起きるのは必然である。その結果、「うまみ」はやがてなくなってしまう。そうなると薄利多売で続けるか、もしくはまた「価格のひずみ」を探して、そこで勝負するしかないわけだ。 -こうして商人の営利活動のおかげで、どこで買っても(だいたい)同じような値段で買えて、いつ買っても(だいたい)同じ値段で買えるわけだ。これはすごくありがたいことだと思う。だって考えてみてほしい、パン屋さんにいくたびに毎日値段が違ったらそれは不便だ。パン屋さんにしたって小麦粉の値段が乱高下したら、経営が難しくてやってられない。すごく生きにくい。それを商人が平均化してくれて、それに伴って利益を上げているのだとしたら、それくらいは許されるというか、むしろ大感謝だ。 -もしまだ価格が乱高下していたり、もしくは場所によって価格差が大きい物が残っているとしたら、それは商人が足りないのだ。がんばれ商人! *** (4) -考えてみれば、商人だって楽じゃない。豊作の年に買い付けて不作の年に売り出せばいいとはいっても、いつ豊作がくるかわからない。今年が豊作だと思って買い付けたら、翌年はさらに大豊作で、お米の値段がすごく下がるかもしれない。ああこんなことなら、昨年にこんなに買い付けるんじゃなかった・・・なんて思うかもしれない。農業技術が進歩したり、治水技術が発達して、不作の頻度が下がるかもしれない。そうなってくると、何年も前のお米を蔵に抱えておくよりも、その土地を田んぼにして小作人に貸したほうがよっぽど利益が出たかもしれない。・・・不作も同様で、不作が数年続くなんて思ってなくて、こんなことなら昨年にあんなに売らないで、もう少しとっておけばよかった、なんてことだってあるだろう。 -見通しが外れ続けてしまえば、利益どころか大損するかもしれない。結構頭を使うんだと思う。そして物価の安定(場所的・時間的)という社会貢献をしているのだ。・・・能力のある商人は、大きな利益を上げているだろうけど、それは大きなひずみを使って商売をしたからであって、つまり大きなひずみを(多少は)是正したのだ。ひずみがないところで商売しても利益は出ない。またひずみを増やす方向で商売をしたとしたら、つまり高いところで買い付けて値を上げさせて、安いところで売って値を下げるようなことをすれば、それはつまり自分が大損するということだ。 -だから、新規参入妨害などの不正行為をしていない限りは、利益が多いということは商人として有能で、かつ社会貢献した証拠である。ずるくもないし、悪くもない。「士農工商」とかいって商人を悪く言った時代もあったけど、僕は少なくともそうは思わない。 *** (5) -さてやっとビルゲイツの話になる。ビルゲイツがWindowsにいかなる値札をつけるかなんて、それは完全にゲイツ氏の自由だと思う。その値段が高すぎるとか安すぎるとかで(僕のような)他人に文句を言われる筋合いじゃない。文句があるなら買わなければいいだけなのだ。高すぎるのになぜか売れる(=ぼろもうけできる)と思うのなら、新規参入すればいい。 -買っている人はその値段で買っても得だと思っているから買っているのだ。買わなきゃ死ぬというわけではないし、今ではLinuxやOpenOfficeだってある。僕がWindowsを高いと思って買わないのが僕の勝手なのと同じく、誰か他の人がWindowsを安い(か、もしくは値段相応)と思って買うのも勝手なのだ。 -そして多少なりとも買い手があって、しかもその売れ行きにゲイツ氏が十分に満足しているのなら、Windowsの価格設定は「成功」しているのであって、悪くなんかないのだ。というか、もし新規参入を阻害するようなことを一切していないのだとしたら、そしてそれなのに有力な新規参入に伴う価格競争がないままなのだとしたら、まだまだ安すぎるのかもしれない。まあ安すぎるという言い方には少し抵抗があるので、これでも「十分に良心的な値段」とでも言おうか。 --ゲイツ氏は自社で開発したものを売っているので、ここまで書いてきた純粋な商人とは異なるけど、商人としての能力ももっていたと考えれば問題はない。 *** (6) -俗に言われる商人の悪行としては、たとえば「買占め」があると思う。買占めはつまり値を吊り上げる行為だ。たとえば一説によると近年の原油の高騰は投資家による買占めが一因らしい。でも僕はこれをあまり悪いとは思っていない。 -仮に石油を買い占めたとして、ガソリンの値段が10倍とかになったとしよう。それでバス代が5倍になったとする。200円の区間なら1000円だ。・・・うーん、僕なら少なくとも晴れていればバスに乗る気はないなあ。・・・つまり、投資家が買い占めたからといってその値段で売れるとは限らないのだ。そしてもし石油が今後1万年くらい同じペースで産出できるのだとしたら、産油国は投資家相手に高値で売り続けることができてウハウハだし、僕たち個人は「高いので買わない」といい続けるだけのことだ。そのうち投資家の石油タンクもいっぱいになり、置くところがないから産油国の毎年の産出分を買い占められなくなる。そうなると値段は下がり始める。僕たちが買ってもいいかな(=バスに乗るほうが得だ)と思う値段になるまで下がる。結果的に投資家は大損する(買った値段よりも安く売ることになるから)。 -もし石油が10年で枯渇するのなら、タンクはいっぱいにならないかもしれない。そうなれば高いままだ。でもこれは正しい。もし投資家がいなければ、10年後には石油は「買いたくても在庫がどこにもないので買えない」ということになっているか、もしくは「わずかに残っていたけど希少価値のせいで現在の値段の1万倍」とかになるかもしれないのだ。それを投資家が平均化しているだけなのだ。 -つまり投資家がもし間違ったことをしているのなら、遅かれ早かれいずれは十分な制裁を受ける。逆に正しければ大きな利益を得る。僕たちが彼らを非難したりする必要はまったくない。高すぎると思えば(ガソリンを)買わなければいい。買っても得をするのなら買えばいい。それだけのことだ。 * こめんと欄 #comment
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* ビルゲイツは悪くなかった -(by [[K]], 2007.07.23) *** (0) -かつて僕は「ビルゲイツは悪い」と思っていた。どうしてかというと、僕にとってはWindowsはどうみても粗悪品であり、「こんなものにこんな高い値段をつけるなんてけしからん」と思っていたのだ。COLOR(#fd0000){しかしこれは間違っていた}、と思う。深く反省し、説明を書こうと思う。 *** (1) -たとえば砂漠の真ん中でコンビニを開き、ペットボトルに入った水だけを売るとしよう。日本で買えば2リットルで数百円だけど、砂漠の真ん中まで運ぶのにかなりコストがかかるし、それにここで水を買う人は水がないとつらくてしょうがないかもしれないから、足元を見て、100万円ということにしたとしよう。 -この値段がもし高すぎると消費者に受け取られれば、それは売れないだけのことだと思う。オークションで高値スタートした場合と同じだ。誰も入札しない。売れなければ、水を砂漠の真ん中にまで持ってきたコストが丸々損することになる。これは自業自得だろう。・・・逆にこれでも安い、買うだけの価値があると思う人がそれなりにいれば、売れる。何もたくさんの人に売るつもりがなくて、数人に売りさえすればいいのなら、高くてもちゃんと完売できるのかもしれないし、むしろ利益が多くなるのかもしれない。 -もしこれがぼろもうけであれば、他の人だって同じ商売を真似するだろう。でも100万円で買ってくれる人全員に売りつくしてしまったら、売れ残りが出始めることになる。それなら99万円に値下げしてでも売り切ったほうがいいだろう。それで99万円で売りはらってライバルたちを出し抜くことができる。 -こうして新規参入と競争が繰り返され、結果的に「ぼろもうけ」ではなくなるだろう。 *** (2) -僕の不確かな歴史の知識によれば、日本は中国などと貿易をしていた。日本は日本に豊富にあるものを売り、中国は中国に豊富にあるものを売る。そして日本で中国のものを売れば、それは珍しいために高く売れるし、逆に中国でも日本の製品は十分に高く売れる。・・・これこそ商売の基本だと思う。つまり、取引の双方が得をするし、満足する。 -これは同じものが国によって違う値段になっているところに目をつけた商売だろう。場所によって同じものの値段が異なるという意味で言えば、さっきの「砂漠で水」もまったく同じ話である。 -日本から中国に製品を輸出すれば、それはつまり国内で輸出用の買い付けがあるはずだから、日本国内価格は少し上昇しているはずである。また中国で売れば、それだけ希少度が下がっているわけだから、中国内価格は少し下がっているはずである。こうして、最後には日本でも中国でも輸送料を除けば同じような金額に落ち着くだろう。 ---- -昔は、豊作の年にお米を多めに買い付けて、不作の年に売ったりした人がいたそうだ(米商人?)。なるほど、これはうまくやればかなり利益が出そうな気がする。これは同じものが時期によって異なる値段になっているのを利用して、価格差を利益にしているのだと思う。 -そしてこれも結果として、豊作の年のお米の値段が(備蓄用の買い付けの分だけ)値上がりし、不作の年のお米の値段が(備蓄分放出の分だけ)値下がりするわけだ。 *** (3) -このような商売は、要するに流通というか、商社というか、まあそういうもので、自分自身は何も開発していない。ただ豊富な場所(もしくは時期)から希少な場所(時期)へ運んでいるだけである。かつての僕はこういう商売を少し軽視してたように思う(今はそれを深く恥じているので許してほしい)。ただ運ぶだけで大きな利益を上げるなんてずるい、もっと生産的なことをして利益を上げろよ、なんて思っていたのだ。開発・発明する人はただ売り歩く人よりもえらい(=社会貢献している)となぜか思い込んでいた。 -しかし考えてみれば、流通などで大きな利益を上げ続けるのは全然簡単じゃない。もし本当に簡単に大きな利益を上げていれば、他社だって新規参入して価格競争が起きるのは必然である。その結果、「うまみ」はやがてなくなってしまう。そうなると薄利多売で続けるか、もしくはまた「価格のひずみ」を探して、そこで勝負するしかないわけだ。 -こうして商人の営利活動のおかげで、どこで買っても(だいたい)同じような値段で買えて、いつ買っても(だいたい)同じ値段で買えるわけだ。これはすごくありがたいことだと思う。だって考えてみてほしい、パン屋さんにいくたびに毎日値段が違ったらそれは不便だ。パン屋さんにしたって小麦粉の値段が乱高下したら、経営が難しくてやってられない。すごく生きにくい。それを商人が平均化してくれて、それに伴って利益を上げているのだとしたら、それくらいは許されるというか、むしろ大感謝だ。 -もしまだ価格が乱高下していたり、もしくは場所によって価格差が大きい物が残っているとしたら、それは商人が足りないのだ。がんばれ商人! *** (4) -考えてみれば、商人だって楽じゃない。豊作の年に買い付けて不作の年に売り出せばいいとはいっても、いつ豊作がくるかわからない。今年が豊作だと思って買い付けたら、翌年はさらに大豊作で、お米の値段がすごく下がるかもしれない。ああこんなことなら、昨年にこんなに買い付けるんじゃなかった・・・なんて思うかもしれない。農業技術が進歩したり、治水技術が発達して、不作の頻度が下がるかもしれない。そうなってくると、何年も前のお米を蔵に抱えておくよりも、その土地を田んぼにして小作人に貸したほうがよっぽど利益が出たかもしれない。・・・不作も同様で、不作が数年続くなんて思ってなくて、こんなことなら昨年にあんなに売らないで、もう少しとっておけばよかった、なんてことだってあるだろう。 -見通しが外れ続けてしまえば、利益どころか大損するかもしれない。結構頭を使うんだと思う。そして物価の安定(場所的・時間的)という社会貢献をしているのだ。・・・能力のある商人は、大きな利益を上げているだろうけど、それは大きなひずみを使って商売をしたからであって、つまり大きなひずみを(多少は)是正したのだ。ひずみがないところで商売しても利益は出ない。またひずみを増やす方向で商売をしたとしたら、つまり高いところで買い付けて値を上げさせて、安いところで売って値を下げるようなことをすれば、それはつまり自分が大損するということだ。 -だから、新規参入妨害などの不正行為をしていない限りは、利益が多いということは商人として有能で、かつ社会貢献した証拠である。ずるくもないし、悪くもない。「士農工商」とかいって商人を悪く言った時代もあったけど、僕は少なくともそうは思わない。 *** (5) -さてやっとビルゲイツの話になる。ビルゲイツがWindowsにいかなる値札をつけるかなんて、それは完全にゲイツ氏の自由だと思う。その値段が高すぎるとか安すぎるとかで(僕のような)他人に文句を言われる筋合いじゃない。文句があるなら買わなければいいだけなのだ。高すぎるのになぜか売れる(=ぼろもうけできる)と思うのなら、新規参入すればいい。 -買っている人はその値段で買っても得だと思っているから買っているのだ。買わなきゃ死ぬというわけではないし、今ではLinuxやOpenOfficeだってある。僕がWindowsを高いと思って買わないのが僕の勝手なのと同じく、誰か他の人がWindowsを安い(か、もしくは値段相応)と思って買うのも勝手なのだ。 -そして多少なりとも買い手があって、しかもその売れ行きにゲイツ氏が十分に満足しているのなら、Windowsの価格設定は「成功」しているのであって、悪くなんかないのだ。というか、もし新規参入を阻害するようなことを一切していないのだとしたら、そしてそれなのに有力な新規参入に伴う価格競争がないままなのだとしたら、まだまだ安すぎるのかもしれない。まあ安すぎるという言い方には少し抵抗があるので、これでも「十分に良心的な値段」とでも言おうか。 --ゲイツ氏は自社で開発したものを売っているので、ここまで書いてきた純粋な商人とは異なるけど、商人としての能力ももっていたと考えれば問題はない。 *** (6) -俗に言われる商人の悪行としては、たとえば「買占め」があると思う。買占めはつまり値を吊り上げる行為だ。たとえば一説によると近年の原油の高騰は投資家による買占めが一因らしい。でも僕はこれをあまり悪いとは思っていない。 -仮に石油を買い占めたとして、ガソリンの値段が10倍とかになったとしよう。それでバス代が5倍になったとする。200円の区間なら1000円だ。・・・うーん、僕なら少なくとも晴れていればバスに乗る気はないなあ。・・・つまり、投資家が買い占めたからといってその値段で売れるとは限らないのだ。そしてもし石油が今後1万年くらい同じペースで産出できるのだとしたら、産油国は投資家相手に高値で売り続けることができてウハウハだし、僕たち個人は「高いので買わない」といい続けるだけのことだ。そのうち投資家の石油タンクもいっぱいになり、置くところがないから産油国の毎年の産出分を買い占められなくなる。そうなると値段は下がり始める。僕たちが買ってもいいかな(=バスに乗るほうが得だ)と思う値段になるまで下がる。結果的に投資家は大損する(買った値段よりも安く売ることになるから)。 -もし石油が10年で枯渇するのなら、タンクはいっぱいにならないかもしれない。そうなれば高いままだ。でもこれは正しい。もし投資家がいなければ、10年後には石油は「買いたくても在庫がどこにもないので買えない」ということになっているか、もしくは「わずかに残っていたけど希少価値のせいで現在の値段の1万倍」とかになるかもしれないのだ。それを投資家が平均化しているだけなのだ。 -つまり投資家がもし間違ったことをしているのなら、遅かれ早かれいずれは十分な制裁を受ける。逆に正しければ大きな利益を得る。僕たちが彼らを非難したりする必要はまったくない。高すぎると思えば(ガソリンを)買わなければいい。買っても得をするのなら買えばいい。それだけのことだ。 * こめんと欄 #comment
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