平成の突破力?
(1)
- アメリカがサブプライムローンでこけたら日本まで大不況になった。これがくやしい。こんなふうにならない日本になりたい。どうしたらいいか。
- 簡単だ。アメリカ人からの売り上げを当てにしなければいい。最初から当てにしてなければ、向こうが不況になって売り上げが落ちても、自分たちは少々ボーナスが減る程度で関係ない。
- なんというか、なんだか知らないけど次々と買ってくれて、だからお得意様にして、きっと来月も買ってくれる、来年も買ってくれるだろうと、生産ライン増やして、それで目論見が外れたら、そりゃあ残るのはライン増設のためにした借金や、雇った社員の給与の支払いだけだ。買っている相手がどうしてそんなに貪欲に買えているのか疑いもせず、それをあてにしたからいけない。相手がカードローンで限度額知らずな買い物をしていただけだと分かれば、これは長くは続かないだろうと思うはずだ。
- だから日本でも、堅実にやっていた人は被害を受けていないと思う。日本の景気がアメリカの景気を利用しただけの他力本願的なものだとわかっていた人なら、日本がやがてアメリカと共に不況に突入するのは見えているから、その兆候が出たときに真っ先に日経平均先物を売って防衛したはずなのだ。・・・そこまで積極的にできないにせよ、せいぜい積極的な投資は控えるとか、そういう防衛方法だってあっただろう。
- もちろんこれは全部今だからいえる後知恵であって、僕だって前もって分かっていたわけじゃない(だから日経平均先物なんて何もしてないし)。でも、他の人たちは、くやしいだの、どうにかしてくれだのというだけなのに対し、僕は、こういう理由であのときこうしていればよかったのだと、筋の通った説明ができているのだ。
(2)
- 数学は間違っているかもしれない。
- それはおかしい。数学に間違いはない。数学は「現実を無視し」、こういう性質を持った数字を1としよう、その1に1を加算したら2にしようと「定義」しているに過ぎない。そうやって、そういう少ない「公理」から出発して、矛盾なく証明できることだけを使ってどこまでいけるか、そういうことをするのが本来の数学だ。その1や2が「物の個数」とか「物の量」や「程度の強弱」の表現に利用できると勝手に想定しているのが物理学や化学などであって、そこでは数学が予想する結果とは合わないことがあるかもしれない。しかしそれは数学が間違っているのではなく、応用した分野に選んだ公理系が不適切だったというだけであって、数学そのものの問題ではない。数学では矛盾を招きかねないような操作を証明のために利用することを禁止していて(たとえば等式の両辺を0で割るとか)、それを守る限りにおいて自己矛盾に陥る心配はないと僕は思っている。
- たとえば数学ではx*x+1=0の方程式に解を与えるためにあえて虚数という数値を導入したが、これは虚数という数値が物の個数や程度の強弱として意味を持つ数値であるということを意味しない。単に、そういう概念が存在するとして数字(体)を拡張しても、それまでの演算法則などを維持できるし、さまざまな公式の対称性が改善する(つまり二次方程式には常に2つの解があると言えるようになるなど・・・重解を除けば)というだけのことだ。それなのに、虚数が何か個数においても意味があるかのように錯覚し、そんな個数がありうるなどと主張する数学はおかしいといわれても、それは応用範囲を超えて勝手に適用して自滅しているだけだよ、としかいいようがない。